23日のアジア市場にて、英ポンドはイギリスのEU離脱に関する懸念が高まり下落し、米ドルはFOMC議事録の発表を受け小幅高となった。
日本時間午後6時58分時点の 米ドルインデックスは、0.22%高の98.095となっている。
4月30日から5月1日にかけて行われたFOMC議事要旨では、金利変更の意向はなく、そうした金利変更に慎重な姿勢は「当面の間」続くということが示唆されている。
議事要旨では、当面の間は辛抱強く金利変更に対応していくことは適切との見方が多数で、米中貿易摩擦の成り行き次第で金利の維持は長期化し得るとの考えも示された。
FOMCはFF金利の誘導目標レンジを予想通り2.25%から2.5%の間に据え置いた。
インフレ率が目標の2%を継続的に下回っている中で、FRBは年末までに利下げを行うのではないかという市場の期待が高まっている。
また議事録では経済の展望について、「多くの参加者が、今年初めから関係者が漏らしていた世界経済の減速と金融状況の悪化等によるダウンサイドリスクへの懸念が落ち着いてきているとの認識を示した」との記録が見られた。
テリーザ・メイ英首相は24日に辞任表明の見通しがあるとの報道から、ポンドの売り圧力が強まり、英ポンド/米ドルレートは0.23%安の1.2635となった。
メイ英首相は23日改正版のEU離脱法案を議会に提出したものの、議会の度重なる反発にあい、彼女の今日中の辞任を求める声も議会内で高まっていると報じられた。
英下院のアンドレア・レッドサム議長は23日に辞任し、政府の方針に追従できないとの考えを示した。
レッドサム氏はメイ首相に対する書簡で、「提案されている方法ではイギリスが真の独立国家となり得ない」と記し、「2度目の国民投票を開くことは国家の分断を危険な形で深めることになり、政府がそのような譲歩策を採ることを支持しない」とも述べた。
米ドル/中国人民元レートは0.1%高の6.9144となった。中国人民銀行が4日連続で予想を超える人民元の固定レートを指定し、今週中国人民元は値を支えられた。
為替市場ではドル高の影響を受けているが、ドルウォン相場は韓国経済の減速への懸念の高まりから大幅にウォン安が進んでいる。USD/KRWは0.13%高の1,191.91となっている。