貿易戦争で米国経済が被ったダメージを相殺すべく、FRBが利下げを余儀なくされるとの予想を受け24日のヨーロッパ市場ではドル安となっている。
5月米製造業購買担当者指数は5年ぶりの低調となっている。4月新築住宅販売戸数は前月から6.9%減少し、書き入れ時であるはずの春季住宅販売に暗雲が立ち込めている。
日本やヨーロッパでも同様に経済指標は低調だ。また国際通貨基金(IMF)は米中貿易戦争の脅威に関し警鐘を鳴らしている。
大和証券シニア為替ストラテジストの石月幸雄氏は「米中貿易摩擦が激化することによるダメージが予想を上回り、まだ明言されていないもののFRBが利下げを行うことが見込まれている」と述べた。
米国の制裁関税拡大による影響が懸念されたが、人民元は概ね安定している。また、ドルウォンは0.10%安の1187.65を付けている。
トランプ米大統領は「安全保障の観点から言ってファーウェイは非常に危険だ」と述べつつ、「ファーウェイ問題は合意の一環として解決されうる」とした。これを受け市場心理は広く改善している。
24日午後5時52分時点でユーロドルは0.04%高の1.11858、ポンドドルは0.18%高の1.26796を付けている。
ただしポンドは英国の政治的な要因によるボラティリティの上昇を受け今週を通して下落している。
メイ英首相は24日保守党メンバーと会談したのち辞意を表明する見通し。同首相はトランプ氏が英国を訪問する6月3~5日までは続投するとみられる。
ドルインデックスは23日98を上回っていたが、24日午後5時55分時点で97.78となっている。