トランプ米大統領が「米中合意の準備はまだ整っていない」と述べたのち、28日の中国元は下落、対して米ドルは上昇している。
28日午後3時34分時点でドルインデックスは0.18%高の97.653、ドル元は0.11%高の6.9052を付けている。
トランプ大統領は27日、安倍首相との共同記者会見の場で米中貿易協議に関し合意の準備はまだできていないとの考えを示した。
「中国はおそらく再交渉を目指すことなく貿易協定を結んでおけばよかったと考えているはずだ」と語った。また、「中国は合意を望んでいる。ただ我々はまだ準備ができていない」とした。
中国製品に対する制裁関税を「大幅に、大幅に引き上げることはとても容易い」とも述べた。
トランプ大統領は加えて、両国が最終的には「素晴らしい貿易合意」に到達するとの見方を示した。
また同記者会見で、トランプ大統領は日本に対し貿易障害を取り除くことにより「公平に」輸出を行いたいと述べ、貿易黒字を大幅に削減するよう日本側に圧力をかけている。
この報道は日本円に対しほとんど影響しなかった。ドル円は0.02%安の109.48。
一方、ユーロドルは0.09%安の1.1186。
EU28か国が参加した欧州議会選挙ののち、同ペアは一時上昇した。
中道左右両派が過半数を失った一方で、環境保護を訴える緑の党やリベラル派が躍進。辛うじて第1党となった中道右派の欧州人民党(EPP)は今後親EU派で連立政権を樹立する見通し。
みずほ証券チーフ為替ストラテジストの山本雅文氏は、「欧州議会の偏りは、欧州全体の政治情勢を示唆している。ユーロにとっては概ね悪影響だろう」と述べた。
またドルウォンは0.29%高の1186.76となっている。