12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:利食い先行後は底堅さが意識されやすい■前場の注目材料:三井ハイテ、1Q営業損失3.47億円、コンセンサス下回る■ソニー、輝度最高3000カンテラ、有機ELディスプレー、ARグラス向け、年内量産■利食い先行後は底堅さが意識されやすい12日の日本株市場は、基本的にはこう着感の強い相場展開が継続することになりそうだ。
11日の米国市場ではNYダウは小幅に下落。
中国がインフラ投資を目的とした地方政府による債券発行を促す投資奨励策を発表したことを受けて買いが先行したが、トランプ大統領が6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて米中首脳会談で何らかの合意が無ければ、中国からの輸入品に対する追加関税を発動すると発言したことが売りにつながった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の21190円。
円相場は1ドル108円50銭台で推移している。
米国市場は下げているが小幅な下げであり、利食い先行後は底堅さが意識されやすいところである。
円相場も落ち着いているため、足元で買い戻しの流れが継続しているハイテクや自動車など景気敏感セクターの買い戻しも続くことが意識されよう。
もっとも反応は限られると考えられるが、週末の先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えており、薄商いの中をインデックスに絡んだ売買に振らされやすい需給状況である。
ちょうどオプション権利行使価格の21250円近辺で日経平均は位置していることもあり、21000円を支持線とした狭いレンジ取引といったところでの推移となろう。
中国では5月消費者物価指数(CPI)、5月生産者物価指数(PPI)の発表があり、予想を下振れるようだと短期筋の売りのきっかけにはなるだろうが、ポジションを大きく傾ける地合いではないため、ショートカバーのタイミングも速いとみておきたい。
いずれにせよ、米中協議も長期化するとの見方の中で楽観視はできないが、一方でG20での進展も捨てきれず、G20に向けてポジションを圧縮する流れが出てくると考えられる。
リバランス中心とはいえ、内需系の利益確定に対して、景気敏感株の買い戻しといった動きを引き続き意識しておきたいところである。
また、米半導体株の底堅い値動きに対しても支援材料となるだろう。
また、基本はこう着ではあるが、日経平均は25日線をクリアしている。
同線が支持線として意識されてくるようだと、次は21455円処に位置している75日線辺りがターゲットとして意識されそうである。
また、21000円を支持線として意識されるなか、オプション権利行使の21250円処をクリアすることにより、次の行使価格である21500円が意識されてくる可能性もありそうだ。
■三井ハイテ、1Q営業損失3.47億円、コンセンサス下回る三井ハイテ (T:6966)が発表した第1四半期業績は、営業損失が3.47億円だった。
コンセンサス(2.50億円の赤字)を下回った。
今期4割減益の3.0億円を見込んでいる。
一方で40万株の自社株買い(発行済み株式数の1.07%)を発表しており、需給面での下支えになりそうだ。
■前場の注目材料・日経平均は上昇(21204.28、+69.86)・SOX指数は上昇(1418.02、+4.13)・米原油先物は上昇(53.27、+0.01)・日銀のETF購入・日銀追加金融緩和への期待・米利下げ期待・株安局面での自社株買い・NTT (T:9432)高度IT人材確保、年俸3000万円、コムも可能に・ソニー (T:6758)輝度最高3000カンテラ、有機ELディスプレー、ARグラス向け、年内量産・伊藤忠 (T:8001)中国CITICと連携、訪日客マーケティング・いすゞ (T:7202)安全性能拡充、大型・中型路線バス、異常時停止を標準化・ANA (T:9202)空港の貨物けん引自動化、JAL (T:9201)らと実証、国交省選定☆前場のイベントスケジュール・10:30 中・5月消費者物価指数(前年比予想:+2.7%、4月:+2.5%)・10:30 中・5月生産者物価指数(前年比予想:+0.6%、4月:+0.9%)
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