5日のアジア時間、対米ドルで日本円は上昇した。米中貿易摩擦の過熱による安全資産への需要の高まりと、香港におけるデモの激化が市場心理を押し下げた事が影響している。
トランプ大統領が突如中国の輸入品3000億ドル相当に対し10%の追加関税を9月1日に開始する事を発表し、米中貿易関係に再び市場の注目が集まることとなった。
先週の貿易協議では目に見える成果は得られなかったものの、来月にも次回の協議がワシントンで予定されている。
午後1時9分時点でドル/円は0.5%安の106.02となった。
香港における政治的不安とアジア株式市場の下落により、日本円は上昇した。
香港の林鄭月娥行政長官は、7月初めから続くデモにより市内が「非常に危険な状況」に晒されていると発言している。
週末には市内数箇所でデモ隊と警察が衝突し、催涙弾の使用と逮捕者の出現に至り、記者会見が開かれた。
6月には推定100万人の市民が市内を行進し、現在撤回された逃亡犯条例改正への反対を訴えていた。デモ隊は、改正案の完全撤回、デモ隊に対する警察の取り締まり方法への調査を求めた。
金曜日に日本は4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)を発表する。
一方で、2日の米雇用統計発表後、9月のFRB追加利下げ観測が強まったことから米ドル/日本円は過去7ヶ月の最安値を記録した。
労働省の発表では、7月の非農業部門雇用者数は16万4,000人増となり6月を下回った一方、賃金は微増した。
米ドルインデックスは一時0.1%安の97.715となった。
ドル/人民元は1.3%高の7.0225となった。ブルームバーグの報道では、トランプ米大統領による追加関税への報復措置として、中国政府が人民元の切り下げを行ったと伝えられている。
7日には中国の貿易収支が発表され、9日には消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。