[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅安の105円後半。米中対立に対する思惑に一喜一憂する形で、朝安後に切り返すなど売買は交錯した。
ドルは朝方の取引で105.70円まで下落。米政府が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁の緩和を先延ばしする、とブルームバーグが伝えたことが手がかり。
その後、昼にかけてドルはじりじりと反発。106.07円まで切り返した。中国人民銀行(中央銀行)が発表したきょうの人民元基準値が7.0136元と、市場予想より小幅に元高水準だったこと、取引開始後も元が下げ渋る動きを見せたことで、中国の通貨安誘導に対する思惑が薄れたという。
「間もなく権利行使期限を迎える巨額のオプションに絡んだ売買が、ドル/円の値動きを抑制した」(アナリスト)との指摘もあった。
市場筋によると、きょうは105.90─106.00円付近で10億ドル超、日本が休日の12日も105円台で20億ドル超のオプションが、期限を迎えるという。
<相次ぐ予想外の利下げ、吉か凶か>
各国中銀の間で予想外の利下げが目立ってきた。7日のNZとタイ、インドに続き、8日にもセルビアが市場予想に反して0.25%の利下げを実施した。通貨安誘導を明言する中銀はもちろんないが、トランプ米大統領が露骨にドル高をけん制し続ける中、ドル安/自国通貨高を押し付けられるのは避けたい、との狙いは十分透けて見える。
通貨セルビアディナール (EURRSD=)は管理フロート制のため、発表後に大きな動きはなかったが、市場では相次ぐ予想外の利下げが市場心理や流動性を安定させる一方、金融緩和による通貨安競争を激化させかねない面を警戒する声も出ている。
ドル/円 ユーロ/ドル (EUR=) ユーロ/円 (EURJPY=)
午後3時現在 105.89/91 1.1195/99 118.56/60
午前9時現在 105.88/90 1.1184/88 118.44/48
NY午後5時 106.06/09 1.1178/82 118.58/62
(為替マーケットチーム)