本日発表された中国生産者物価指数は0.3%減と大きく予想を下回ったが、人民元はあまり影響を受けず横ばいで推移した。ヨーロッパ時間が始まっても、ドルは狭いレンジで推移している。
イタリアでは連立政権の内部対立が激化しており、前倒し選挙をサルビーニ副首相が求めるなど混乱している。この政治的混乱の発生後、ユーロは木曜日に下落したが、本日その下落分のほとんどを回復した。しかし、イタリア10年債利回りは12.48%高の1.730%まで跳ね上がっており、イタリア株式市場も大きく値を下げている。
ユーロ/ドルは1.1186ドルで、0.07%高となっている。 6月のフランス鉱工業生産は2.3%減となり、ドイツ同様に厳しい結果となった。
英ポンドは、第2四半期GDP発表前に売り圧力にさらされた。ジョンソン首相がブレグジット後の11月初旬に総選挙を計画していると報じられている。
ドル指数は、97.438とほぼ横ばいで推移している。トランプ大統領のツイッターによるFRBと強いドルへの攻撃は、ドル安誘導への介入リスクを市場参加者に認識させる以外、マーケットに大きな影響を与えなかった。
「通貨戦争は起きていません。少なくとも今はまだ。しかし危険度はそこにある現実です。世界の2大経済国の関係は、現在の悪い状態からさらに悪化する可能性があります」とINGのアナリストであるベンジャミン コーエン氏は述べた。 コーエン氏は、トランプ政権による中国の為替操作国への指定は、ハイテク製品の製造に不可欠なレアアースの輸出禁止などの措置を中国にとらせる可能性があると指摘した。
午前中に発表された中国生産者物価指数が3年ぶりにマイナスに転じたことで、2012年から2016年のように、世界の他の地域に「デフレを輸出」をする懸念が高まった。
しかし、人民元は今週取引されたレンジ内に留まった。オンショア人民元は、0.19%元安の1ドル7.0574元だったが、規制の少ないオフショア人民元では、7.0818となっている。また中国人民銀行は人民元基準値を11年ぶりの最安値である7.0136に設定した。