先週の新興市場では、マザーズ指数や日経ジャスダック平均の堅調ぶりが目立った。
日経平均は下値こそ堅かったが、米中摩擦への警戒感などから23500円を超えると上値が重かった。
米感謝祭で海外投資家の取引参加が減ったこともあり、東証1部の売買代金はやや低調。
このため個人投資家の物色が中小型株に向かい、マザーズ売買代金は900億円を超える日も見られた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+2.9%、日経ジャスダック平均は+1.7%だった。
マザーズ指数は7月中旬以来の水準を回復している。
個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ (T:4385)が週間で3.6%高となったほか、一部証券会社の新規レーティング付与が観測されたSansan (T:4443)は同21.4%高と大きく上昇した。
そーせいグループ (T:4565)は同2.1%安となったが、肺疾患治療薬が中国で保険収載され、週末にかけて買われる場面があった。
また、インパクトHD (T:6067)が週間の売買代金、上昇率ともマザーズトップ。
インドの合弁先に関する一部報道を受けて思惑買いが向かった。
トビラシステムズ (T:4441)、エクスモーション (T:4394)なども大きく上昇した。
反面、フィット (T:1436)やEduLab (T:4427)が下落率上位に顔を出した。
ジャスダック主力ではワークマン (T:7564)が同10.2%高。
一部証券会社のレーティング引き上げが観測された。
東映アニメーション (T:4816)は同6.5%高となったが、親子上場を巡る思惑から買われたようだ。
その他はハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同4.5%高、セリア (T:2782)が同5.7%安と高安まちまち。
売買代金上位ではメイコー (T:6787)が大きく買われ、タツミ (T:7268)が週間のジャスダック上昇率トップとなった。
反面、フジタコーポレーション (T:3370)や日本一ソフトウェア (T:3851)が下落率上位に顔を出した。
今週の新興市場では、中小型株の循環物色が続きそうだ。
マザーズ指数は企業決算の発表が一巡した11月半ばから急ピッチの上昇を見せている。
足元では利益確定の売りも出ているようだが、米中関係への懸念などから大型株の買いが手控えられ、引き続き中小型株に資金が向かいやすいだろう。
今週から12月IPOのブックビルディング(BB)が増えるため、参加に伴い個人投資家の資金が拘束される点は懸念材料となる。
ただ、目先は株価上昇で好循環が続きそうだ。
今週は、12月4日にLink-U (T:4446)、12月6日にHEROZ (T:4382)、日本スキー場開発 (T:6040)、OSGコーポレーション (T:6757)などが決算発表を予定している。
Link-Uは集英社との業務提携を発表し、先週末に株価が大きく上昇。
OSGコーポは前四半期の決算がポジティブに、対照的にHEROZはネガティブに受け止められたが、今回の決算にも注目したい。
先週末発表の決算ではウチダエスコ (T:4699)などが好感されているようだ。
IPO関連では、12月2日に名南M&A {{|0:}}が名証セントレックスへ新規上場する。
同社はM&A(企業の合併・買収)の仲介・コンサルティングを手掛ける。
地方市場上場案件としては公開規模がやや大きいが、中小企業におけるM&Aニーズの高まりが追い風になると期待されているようだ。
なお、今週はフリー (T:4478)など12社が新たにBB期間に入る。