(ブルームバーグ): オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は7日、すでに過去最低水準にある政策金利を引き下げれば、短期的メリットよりも大きな悪影響を経済に与えるリスクがあるとの見方を示し、当面の金利据え置きを示唆した。
ロウ総裁はキャンベラで開かれた議会の委員会で、「現時点ではリスクがメリットを上回る方向へわずかに傾いている」と述べた上で、このバランスは特に失業率が悪化すれば「変わる可能性がある」とも指摘した。
総裁はまた、主要貿易相手国の中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大など、「かなりの不確実性」があるとの警戒感を示し、雇用やインフレに軟化の兆候があれば、利下げ方向にバランスが戻る可能性があるとも語った。
豪中銀は同日に公表した四半期報告で、労働市場が回復するとの見通しを示し、失業率は来年に4.75%へ改善すると予想。山火事や新型ウイルスによる短期的な打撃の後には、経済成長が加速すると予測した。
豪中銀は今週、労働市場の持ち直しや不動産価格が回復する中、政策金利を0.75%に据え置いた。昨年には経済成長を後押しするため3回の利下げを実施したが、ロウ総裁はさらなる緩和には消極的だ。
原題:RBA’s Lowe Says Rate-Cut Risks Outweigh Benefits for Now (1)(抜粋)
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