(ブルームバーグ): 東京外国為替市場のドル・円相場は小幅下落。欧米での新型コロナウイルスの感染拡大を懸念したリスク回避の動きが継続。ただ、株安の速度は落ち着いており、円相場の動きは限定的となっている。
市場関係者の見方
CIBC証券金融商品部の春木康部長
- 世界的に株価の急落に落ち着きが見られていることから、円の値動きも比較的落ち着いている。ドル・円も新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念が重しで小安いものの、下値を売る感じでもない
- 前日ドイツで財政刺激策への期待が高まり、アジア時間に入っても海外勢中心にユーロ買い。ユーロ下値固めへの期待もユーロ・円を通じてドル・円の底堅さに
- トランプ米大統領の会見は、新型ウイルス懸念に対する強気な姿勢は期待通りだが、ウイルス収束が見えたわけでもなく懸念払しょくには至らず。引き続き、新型ウイルス関連の報道見ながら、ドル円は110円台での動きが中心になりそう
- トランプ大統領の演説もやや期待外れで、株が落ち時間外で米長期金利も落ちているのでドル売りの材料視されているが、あくまでも持ち高調整の域を出ない動き
- 調整が済み、新型ウイルスの問題が想定以上にならなければ、ドル・円は大きく崩れる感じではない。持ち高調整が落ち着けば、リスク回避のドル買いと円買いはこれまで通りだろう
- トランプ米大統領は26日夜(日本時間27日午前)、新型コロナウイルスについてホワイトハウスで記者会見し、「われわれの取り組みが奏功し、米国民へのリスクは依然非常に低い」と述べ、国民の不安軽減に努めた
- 大統領は市中感染について、「不可避ではないと思う。どんな事態が起ころうとわれわれは十分に備えている」と発言
- ドイツのショルツ財務相は債務に苦しむ地方州政府の歳出余地を広げるため、憲法に基づく借入制限の一時的な解除を検討と報道
- 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は26日、ドイツの「債務ブレーキルール」一時停止の意向を歓迎
- 日経平均株価は前日比401円安で午前の取引を終えた
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