(ブルームバーグ): 東京外国為替市場のドル・円相場は下落。欧米での新型コロナウイルスの感染拡大を懸念したリスク回避の動きが継続した。景気リスクが意識される中で、株安が進行したことを受けて一時110円を割り込む場面も見られた。
市場関係者の見方
NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)
- 世界的な新型コロナウイルス感染拡大への懸念が根強く、リスク回避の動き継続。感染拡大による景気リスクから株安が進行していることも、リスク回避の動きにつながっている
- リスク回避の動きはまだ続き、ドル・円は110円割れが定着する可能性。ただ、2月7日の109円53銭や13日の109円62銭はチャートポイントで支えられやすい
- 109円台半ばの水準が支えられる前提には米経済の強さがあり、この見方が弱まるとさらなる下値リスクも意識される
- トランプ大統領の演説もやや期待外れで、株が落ち時間外で米長期金利も落ちているのでドル売りの材料視されているが、あくまでも持ち高調整の域を出ない動き
- 調整が済み、新型ウイルスの問題が想定以上にならなければ、ドル・円は大きく崩れる感じではない。持ち高調整が落ち着けば、リスク回避のドル買いと円買いはこれまで通りだろう
- トランプ米大統領は26日夜(日本時間27日午前)、新型コロナウイルスについてホワイトハウスで記者会見し、「われわれの取り組みが奏功し、米国民へのリスクは依然非常に低い」と述べ、国民の不安軽減に努めた
- 大統領は市中感染について、「不可避ではないと思う。どんな事態が起ころうとわれわれは十分に備えている」と発言
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