22日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる米中対立で地合いは悪化し、安全通貨買いの見通し。
米国市場の明日からの3連休を控え、円よりもドルが選好されやすい展開となりそうだ。
コロナをめぐる米国と中国の対立は、香港の一国二制度維持の問題に発展している。
本日から始まった中国の全人代で、香港での対中抗議活動を抑止しようと治安維持のための法整備が議論される方向だ。
それに対し、米上院は中国の法整備に関与した高官や取引先の金融機関に制裁可能な「香港自治法案」を提出。
本日アジア市場では香港株が前日終値から5%を超えて大きく下げ、リスク回避的な円買いが優勢に。
一方、日銀による臨時の金融政策決定会合で想定通りの政策内容にとどまったことも、円買いを強める要因となった。
この後の海外市場も米中対立が焦点となる。
トランプ大統領は、香港に対する取り締まりの強化を中国政府が検討していることについて、実行された場合、米国は「非常に強く対処する」とけん制する。
米中対立がさらに先鋭化する可能性から警戒感が広がり、欧米株式市場が軟調地合いとなればリスク回避の円買いが主要通貨を押し下げる見通し。
ただ、週明け25日は米国市場がメモリアルデーに伴う休場となるため、3連休を前に米国株は調整の売りが見込まれる。
そのため安全通貨のドルが選好され、対円では下げづらいだろう。
【今日の欧米市場の予定】・21:30 カナダ・3月小売売上高(前月比予想:-10.5%、2月:+0.3%)・中国全国人民代表大会が開幕