今週の新興市場では、懸念していたとおりマザーズ指数が大きく値を崩した。
前の週に2018年1月高値(1367.86pt)を上回る場面があり、短期的な達成感や高値警戒感が台頭。
このところの荒い値動きで株価トレンドや株式需給の崩れた銘柄が多かったこと、一部のバイオ関連株の急落で信用評価損益が悪化したこともあり、週後半に入ると個人投資家の手仕舞い売りが急速に広がった。
マザーズ指数は10月23日、1200ptを割り込む場面もあったが、その後買い戻しが入りやや下げ渋った。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.5%であったのに対して、マザーズ指数は-4.9%、日経ジャスダック平均は+0.1%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で10.9%安、フリー (T:4478)が同12.7%安とマザーズ時価総額上位は軒並み軟調。
売買代金上位ではBASE (T:4477)やHENNGE (T:4475)が売りに押された。
また、週間の売買代金、下落率ともにジーエヌアイグループ (T:2160)がマザーズトップ。
新薬開発の今後の見通しが嫌気された。
トヨクモ (T:4058)やアクシス (T:4012)といった直近IPO銘柄の一角も下げがきつかった。
一方、前の週に業績上方修正を発表したラクス (T:3923)は同0.5%高。
同様に決算への評価が高かったマネーフォワード (T:3994)は同13.2%高、Sansan (T:4443)は同7.2%高となった。
また、メディカルネット (T:3645)やサイバーダイン (T:7779)が上昇率上位に顔を出した。
ジャスダック主力では出前館 (T:2484)がこれまでの上昇の反動で同11.0%安。
ワークマン (T:7564)は同0.4%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は変わらずとなった。
売買代金上位ではリバーエレテック (T:6666)などが買われ、今村証券 (T:7175)が週間のジャスダック上昇率トップ。
一方、テーオーHD (T:9812)などが下落率上位に顔を出した。
IPOでは、アースインフィニティ (T:7692)が上場2日目に公開価格の約5.3倍となる初値を付けた。
来週の新興市場では、マザーズ指数の調整局面が続くことも想定しておきたい。
日足チャートを見ると、今週末の10月23日は長めの下ひげを付ける格好となっているが、底打ちとみるのは時期尚早だろう。
16日時点の信用評価損益率は12.42%で、含み損の拡大は始まったばかり。
これまでの株高に伴ってマザーズ市場全体の信用買い残は大きく膨らんでおり、足元の下落に買い向かう投資家も多く見られることから、需給調整はやや長引きそうだ。
来週は、10月26日にアンジェス (T:4563)、弁護士ドットコム (T:6027)、27日にマクアケ (T:4479)、29日にドリコム (T:3793)、セプテーニ・HD (T:4293)、Jストリーム (T:4308)、30日にセリア (T:2782)、ロードスターキャピタル (T:3482)、すららネット (T:3998)、メルカリ、東映アニメーション (T:4816)などが決算発表を予定している。
決算発表シーズン序盤ながら人気銘柄も散見され、ムード一変につながるか注視したい。
IPO関連では、10月27日にカラダノート (T:4014)、28日にプレミアアンチエイジング (T:4934)とさくらさくプラス (T:7097)、30日にRetty {{|0:}}がいずれもマザーズへ新規上場する。
子育て支援アプリ等を手掛けるカラダノートは軽量感もあって初値を飛ばしそうだ。
グルメサイトで知られるRettyは公開規模がやや大きいものの、注目度も相応に高いようだ。
なお、今週はMITHD {{|0:}}(11月25日、ジャスダック)など4社の新規上場が発表されている。