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NY外為市場=ドル下落、物価上昇鈍化で米の緩和縮小観測が後退

発行済 2021-09-16 05:30
更新済 2021-09-16 06:09
© Reuters. ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し下落した。2020年5月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し下落した。前日発表の米消費者物価指数を受け、連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)に対する短期的な観測が後退したことが背景。

テーパリングは、FRBが利上げに一歩近づいたとの連想から、通常ドル高要因になる。終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は92.514、前日から約0.2%低下した。

労働省が14日に発表した8月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比4.0%と、7月の4.3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。

この日発表の経済指標では、8月の輸入物価が前月より0.3%下がり、昨年10月以来、10カ月ぶりのマイナスとなった。このほか、FRBが発表した8月の鉱工業生産統計は、製造業生産指数の上昇率が0.2%にとどまり、予想の0.4%を下回った。月末に米南部に上陸したハリケーン「アイダ」の影響のほか、新型コロナウイルス感染が再拡大する中、原材料と労働力不足が続いていることが響いた。

テンパス(ワシントン)の外為ストラテジスト兼トレーダー、フアン・ペレス氏は「経済指標が軟調になっていることは、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)からの回復が、デルタ変異株の拡散により減速していることを示している。これ以外のガイダンスがないというのが現実だ」と述べた。

FRB当局者から年内にテーパリングに着手する可能性があるとの発言が相次ぐ中、過去1週間にドル指数は92.3─92.9のレンジ内で推移。市場では、テーパリングの開始時期と金利の行方の手掛かりを得ようと、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まっている。

ユーロは0.1%高の1.1813ドル。

ドルは対円で一時109.14円と、4週間ぶりの安値を更新。終盤の取引では0.3%安の109.38円。

中国経済指標を受け、中国人民元と豪ドルは下落。中国国家統計局がこの日に発表した8月の鉱工業生産は、前年同月比5.3%増と2020年7月以来の低い伸びとなった。小売売上高も急減速し市場予想を大幅に下回った。

ドル/円 NY終値 109.36/109.39

始値 109.25

高値 109.45

安値 109.12

ユーロ/ドル NY終値 1.1815/1.1819

始値 1.1826

高値 1.1832

安値 1.1804

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