5日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:半導体株の動向に市場の関心が集まりやすい
■任天堂、22/3上方修正 営業利益5200億円←5000億円、コンセンサス届かず
■前場の注目材料:三菱UFJ、米FEFに資本参加、水素拠点開発の世界最大手
■半導体株の動向に市場の関心が集まりやすい
5日の日本株市場は、利食い先行ながらも底堅い相場展開になりそうだ。
4日の米国市場はNYダウが33ドル安だった。
7-9月期の非農業部門労働生産性速報値が40年来の低水準に落ち込み景気回復への警戒感から売り優勢の展開で始まった。
一方で金利の低下でハイテク株は買われており、ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の29775円。
円相場は1ドル113円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや利食い先行で始まることになりそうだ。
米国では長期金利の低下を背景に銀行が売られており、NYダウの重荷となる反面、半導体株が買われる格好である。
NYダウは小幅な下げにとどまっており、短期的な利益確定の売りの影響といったところであろう。
強いトレンドは引き続き継続していることから、東京市場においても売り一巡後は底堅さが意識されやすいと考えられる。
また、エヌビディアはアナリストの投資判断引き上げを受けて12%を超える上昇となったほか、クアルコム、AMD、台湾セミコンダクターなど強い値動きを見せていた。
半導体不足が問題視されるなか、半導体株へは増産などへの動きも意識されやすく、市場の関心が集まりやすい。
そのため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への波及も期待されるため、日経平均の下支えとなりそうだ。
昨日は東京エレクトロン (T:8035)が一時56820円まで上昇し、9月につけた上場来高値(56840円)にあと20円に迫っていた。
高値更新となればセンチメント改善に繋がり、半導体株主導の上昇が意識されよう。
そのほか、週末要因や米雇用統計を控えていることから様子見ムードが強まりやすいものの、決算を手掛かりとした個別物色は引き続き活発化しよう。
もっとも、昨日の海運株など好決算ながらも利益確定に押される銘柄も目立ってきているため、中小型の好決算銘柄に短期的な値幅取り狙いの資金が集中しやすい。
また、物色対象に広がりが見られないなか、強い基調が続いている銘柄に対して短期資金が集中しやすい。
資金の逃げ足の速さを警戒しつつ、トレンドに乗った順張りスタンスの売買も続きそうである。
■任天堂、22/3上方修正 営業利益5200億円←5000億円、コンセンサス届かず
任天堂 (T:7974)は2022年3月期業績予想の修正を発表。
営業利益は5000億円から5200億円に上方修正した。
コンセンサス(6200億円程度)には届かず。
世界的な半導体不足を背景に供給が追いつかないとして主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売台数を従来予想の2550万台から2400万台に下方修正しており、織り込み済み。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(29794.37、+273.47)
・ナスダック総合指数は上昇(15940.31、+128.72)
・SOX指数は上昇(3715.76、+125.59)
・米長期金利は低下
・大型経済対策への期待
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・三菱UFJ (T:8306)米FEFに資本参加、水素拠点開発の世界最大手
・日本化学工業 (T:4092)量子ドットディスプレー向け増産、リン原料5倍
・ヤマハ (T:7951)半導体不足に対応、電子楽器・音響機器、設計変更に着手
・豊田通商 (T:8015)脱炭素実現で1.6兆円投資、30年まで
・ソフトバンク (T:9434)米トレジャーデータに253億円出資
・村田製作所 (T:6981)長野・小諸市に新棟、携帯向けRFモジュール生産
・ニコン (T:7731)新本社建設、大井製作所の敷地内
・三井物産 (T:8031)インドで低温物流に参画、食料・医薬品など
・マツダ (T:7261)運転手の異常検知で車線維持・停止、高度運転支援技術を開発
・ノーリツ (T:5943)脱炭素で神戸大と連携、給湯器開発
・日本製紙 (T:3863)印刷・情報用紙値上げ、1月出荷分15%以上
・帝人 (T:3401)パラ系アラミド長繊維、使用済みからパイロット生産
・住友金属鉱山 (T:5713)加探鉱社株10%取得、金の優良権益獲得
☆前場のイベントスケジュール
・09:30 豪準備銀行四半期金融政策報告 <ST>