[東京 26日 ロイター] -
ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY=
午後3時現在 103.85/87 1.3201/05 137.10/14
正午現在 103.83/85 1.3202/06 137.09/13
午前9時現在 104.06/08 1.3184/88 137.20/24
NY午後5時 104.04/06 1.3191/93 137.25/29
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ小幅にドル安/円
高の103円後半。前週から新規でドルの買い持ちを膨らませてきた海外投機筋が一部を
手じまったことでドルの下げが加速し、104円を割り込んだ。一方、ユーロは約1年ぶ
りの安値から買い戻された。
ドルは仲値公示まではかろうじて104円台を保っていたが、その後はストップを巻
き込んで下げが加速。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表前後からド
ル買い/円売りのポジションを膨らませてきた海外投機筋が、ここに来てドルが伸び悩ん
でいることを嫌気し、手じまいに動いたという。ドルは一時103.75円まで下落した
。
ドルの買い持ちはFOMC議事録以前にも、既に相当規模に達していた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門
の取組(8月19日時点)によると、主要6通貨に対する投機筋のドルの買い越し幅は過
去2年余りで最高となった。
一方で、実需筋はほぼ様子見で、「29日まで様子見を決め込む企業もある」(金融
機関)という。
きょう発表予定の一連の米景気指標は弱い数字が予想されているが、ドルがこれらの
指標をこなして上昇トレンドを保つか、または、さらなるロング・ポジションの巻き戻し
をもたらすか、注目されている。
6月分のS&Pケースシラー住宅価格は伸び率鈍化が予想され、8月分のコンファレ
ンスボード消費者信頼感指数も前月から悪化する見込み。7月の耐久財受注は伸び率が鈍
化するとみられている。
<ユーロは1年ぶり安値から小反発>
ユーロは午前の取引で一時1.3178ドル付近まで軟化し、昨年9月9日以来約1
年ぶりの安値をつけたが、その後は小幅に買い戻され1.32ドル台を回復した。
最近の市場では、ユーロ圏経済に対する弱気な見方が急速に台頭しユーロがほぼ一本
調子で下値を切り下げてきた。しかし、現時点では「(ユーロの)ショートカバーが警戒
される水域に来ている」(外為アナリスト)との見方も出ている。
ただ、きょうはロシア大統領とウクライナ大統領の首脳会談を控えて地政学リスクを
めぐる緊張も高まっており、ユーロは「下げ止まったが、戻りも弱い」(外為アナリスト
)状況となっている。
ウクライナ軍は25日、新ロシア派武装戦力を装ったロシア軍兵士がウクライナ南
東部に侵入したと発表し、ロシア側を非難した。ウクライナ軍によると、戦車10台と装
甲車2台が南東部に侵入。ウクライナ軍は、国境から約10キロ離れたノボアゾフスク付
近で進軍を食い止め、戦車2台を破壊、「情報活動・破壊活動」に関与した数人を拘束し
た。
一方、ロシア政府は兵士の南東部侵入を否定。ラブロフ外相は「この件については
聞いていないが、われわれの『侵入』については虚偽情報が多くある」と述べた。
<米利上げの「標準ケース」は不明>
ジャクソンホールでのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では「利上げ
が想定より早まる可能性がある」というこれまで通りの考え方を表明する一方で、「想定
より緩和的になるかもしれない」とも述べている。
市場では「想定という言葉を使うからには、FRB執行部が思い描く標準ケースがあ
るはずだが、それが全くはっきりしない。時期については完全に煙に巻かれたままだ」(
国内エコノミスト)との声が聞かれた。
ただ、為替市場では、イエレン議長の講演後にドル買いがいったん勢いづき、前日一
時104.49円まで上昇した。
議長の講演がドル買い材料になった理由は「早期利上げを織り込みつつある市場に対
して強く異議を唱えなかったこと」(プレビデンティア・ストラテジー外為ストラテジス
ト、山本雅文氏)だという。
さらに、最近のドル上昇は、米10年債利回りが低下する環境で起きている。
「QEの世界では長期ゾーンに関心が集まったが、目下の焦点はFF(フェデラルフ
ァンド)金利をいつ引き上げるかであり、2年から5年ゾーンなど、より短期の利回りに
フォーカスが移っている」と山本氏は言う。
午後3時過ぎの米2年国債利回り US2YT=RR は0.5000/0.4959%の気配
で、8月半ばの0.3914%から上昇が際立つ。一方、 米10年国債利回りR>は2.3767/2.3750%の気配で、前日米東部時間午後5時過ぎの2.383
8%から低下。直近の高水準は21日の2.4480%。
<イタリア紙掲載の黒田総裁インタビュー>
黒田東彦日銀総裁は、イタリアの全国紙コリエレ・デラ・セラが25日付に掲載した
インタビューで、 昨年4月の量的・質的金融緩和(QQE)導入以降、円は下落したが
、2007年の水準と比較すると対ドル・ユーロで依然として強すぎると指摘した。
日本経済については「消費は通常の水準に回復しており、7─9月は国内総生産(G
DP)の回復をわれわれは予想している」と述べた。また、ユーロ圏がデフレに陥る可能
性は低いとの見方を示すとともに、デフレリスクが深刻化した場合は欧州中央銀行(EC
B)が行動を取ると確信していると語った。
デフレのダメージの大きさは日本のこれまでの状況で証明されているとした上で、日
銀が物価安定目標の2%を2015年度までに実現できない場合は、2015年以降もQ
QEを継続すると表明し、「インフレ率は現在1.3%で、われわれは道半ばにある」と
述べた。
為替市場では明確な反応は見られなかったが、QQE継続の意向はドル/円相場に当
面はポジティブとみられる。
(森佳子)
((※ yoshiko.mori@thomsonreuters.com)(03-6441-1877)(RM:
yoshiko.mori.thomsonreuters.com@reuters.net))
(( 全スポットレート(ロイターデータ) FX=
アジアスポットレート(同) AFX=
欧州スポットレート(同) EFX=
クロス円レート(同) JPYX=
クロス円の時系列レート(同) JPNU JPNX JPOA JPOD
通貨オプション FXVOL
スポットレート(ロイター・ディーリング約定値) D4FX=
スポットレート(RTFX) FX=RTFX
スポットレート(日銀公表) TKYFX
為替関連ニュース ))
ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY=
午後3時現在 103.85/87 1.3201/05 137.10/14
正午現在 103.83/85 1.3202/06 137.09/13
午前9時現在 104.06/08 1.3184/88 137.20/24
NY午後5時 104.04/06 1.3191/93 137.25/29
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ小幅にドル安/円
高の103円後半。前週から新規でドルの買い持ちを膨らませてきた海外投機筋が一部を
手じまったことでドルの下げが加速し、104円を割り込んだ。一方、ユーロは約1年ぶ
りの安値から買い戻された。
ドルは仲値公示まではかろうじて104円台を保っていたが、その後はストップを巻
き込んで下げが加速。前週の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表前後からド
ル買い/円売りのポジションを膨らませてきた海外投機筋が、ここに来てドルが伸び悩ん
でいることを嫌気し、手じまいに動いたという。ドルは一時103.75円まで下落した
。
ドルの買い持ちはFOMC議事録以前にも、既に相当規模に達していた。
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門
の取組(8月19日時点)によると、主要6通貨に対する投機筋のドルの買い越し幅は過
去2年余りで最高となった。
一方で、実需筋はほぼ様子見で、「29日まで様子見を決め込む企業もある」(金融
機関)という。
きょう発表予定の一連の米景気指標は弱い数字が予想されているが、ドルがこれらの
指標をこなして上昇トレンドを保つか、または、さらなるロング・ポジションの巻き戻し
をもたらすか、注目されている。
6月分のS&Pケースシラー住宅価格は伸び率鈍化が予想され、8月分のコンファレ
ンスボード消費者信頼感指数も前月から悪化する見込み。7月の耐久財受注は伸び率が鈍
化するとみられている。
<ユーロは1年ぶり安値から小反発>
ユーロは午前の取引で一時1.3178ドル付近まで軟化し、昨年9月9日以来約1
年ぶりの安値をつけたが、その後は小幅に買い戻され1.32ドル台を回復した。
最近の市場では、ユーロ圏経済に対する弱気な見方が急速に台頭しユーロがほぼ一本
調子で下値を切り下げてきた。しかし、現時点では「(ユーロの)ショートカバーが警戒
される水域に来ている」(外為アナリスト)との見方も出ている。
ただ、きょうはロシア大統領とウクライナ大統領の首脳会談を控えて地政学リスクを
めぐる緊張も高まっており、ユーロは「下げ止まったが、戻りも弱い」(外為アナリスト
)状況となっている。
ウクライナ軍は25日、新ロシア派武装戦力を装ったロシア軍兵士がウクライナ南
東部に侵入したと発表し、ロシア側を非難した。ウクライナ軍によると、戦車10台と装
甲車2台が南東部に侵入。ウクライナ軍は、国境から約10キロ離れたノボアゾフスク付
近で進軍を食い止め、戦車2台を破壊、「情報活動・破壊活動」に関与した数人を拘束し
た。
一方、ロシア政府は兵士の南東部侵入を否定。ラブロフ外相は「この件については
聞いていないが、われわれの『侵入』については虚偽情報が多くある」と述べた。
<米利上げの「標準ケース」は不明>
ジャクソンホールでのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演では「利上げ
が想定より早まる可能性がある」というこれまで通りの考え方を表明する一方で、「想定
より緩和的になるかもしれない」とも述べている。
市場では「想定という言葉を使うからには、FRB執行部が思い描く標準ケースがあ
るはずだが、それが全くはっきりしない。時期については完全に煙に巻かれたままだ」(
国内エコノミスト)との声が聞かれた。
ただ、為替市場では、イエレン議長の講演後にドル買いがいったん勢いづき、前日一
時104.49円まで上昇した。
議長の講演がドル買い材料になった理由は「早期利上げを織り込みつつある市場に対
して強く異議を唱えなかったこと」(プレビデンティア・ストラテジー外為ストラテジス
ト、山本雅文氏)だという。
さらに、最近のドル上昇は、米10年債利回りが低下する環境で起きている。
「QEの世界では長期ゾーンに関心が集まったが、目下の焦点はFF(フェデラルフ
ァンド)金利をいつ引き上げるかであり、2年から5年ゾーンなど、より短期の利回りに
フォーカスが移っている」と山本氏は言う。
午後3時過ぎの米2年国債利回り US2YT=RR は0.5000/0.4959%の気配
で、8月半ばの0.3914%から上昇が際立つ。一方、 米10年国債利回り
8%から低下。直近の高水準は21日の2.4480%。
<イタリア紙掲載の黒田総裁インタビュー>
黒田東彦日銀総裁は、イタリアの全国紙コリエレ・デラ・セラが25日付に掲載した
インタビューで、 昨年4月の量的・質的金融緩和(QQE)導入以降、円は下落したが
、2007年の水準と比較すると対ドル・ユーロで依然として強すぎると指摘した。
日本経済については「消費は通常の水準に回復しており、7─9月は国内総生産(G
DP)の回復をわれわれは予想している」と述べた。また、ユーロ圏がデフレに陥る可能
性は低いとの見方を示すとともに、デフレリスクが深刻化した場合は欧州中央銀行(EC
B)が行動を取ると確信していると語った。
デフレのダメージの大きさは日本のこれまでの状況で証明されているとした上で、日
銀が物価安定目標の2%を2015年度までに実現できない場合は、2015年以降もQ
QEを継続すると表明し、「インフレ率は現在1.3%で、われわれは道半ばにある」と
述べた。
為替市場では明確な反応は見られなかったが、QQE継続の意向はドル/円相場に当
面はポジティブとみられる。
(森佳子)
((※ yoshiko.mori@thomsonreuters.com)(03-6441-1877)(RM:
yoshiko.mori.thomsonreuters.com@reuters.net))
(( 全スポットレート(ロイターデータ) FX=
アジアスポットレート(同) AFX=
欧州スポットレート(同) EFX=
クロス円レート(同) JPYX=
クロス円の時系列レート(同) JPNU JPNX JPOA JPOD
通貨オプション FXVOL
スポットレート(ロイター・ディーリング約定値) D4FX=
スポットレート(RTFX) FX=RTFX
スポットレート(日銀公表) TKYFX
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