■業績動向
1. 2021年12月期の業績概要
不二精機 (T:6400)の2021年12月期の連結業績は売上高7,468百万円(前期比26.3%増)、営業利益606百万円(同2.1倍)、経常利益616百万円(同4.3倍)、親会社株主に帰属する当期純利益506百万円(同5.1倍)となった。
2021年12月期は2020年12月期のコロナ禍の影響による期ずれや反動増などの影響、償却負担額の増加が一巡したことなどもあり、利益が想定以上となった。
事業別では、射出成形用精密金型及び成形システム事業は売上高2,838百万円(前期比22.0%増)、営業利益260百万円(同2.7%減)となった。
医療機器用精密金型の売上に、2020年12月期のコロナ禍の影響で検収手続きに遅延が生じたことで期ずれとなった3億円程度が含まれ、大幅増収となった。
利益面では、受注案件の利益率低下が影響、利益は減少した。
精密成形品その他事業は、売上高4,630百万円(前期比29.1%増)、営業利益328百万円(同14.3倍)となった。
主力の自動車部品用成形品は、東南アジア市場を中心に中期的な受注を継続して獲得、インドネシア子会社は過去最高益を更新、タイ子会社も売上高で過去最高を記録するなど増産設備稼働に加え、コロナ禍の影響により落ち込んだ受注の反動増による稼働率アップにより、増収となった。
利益面も、経費削減の実行効果により利益率が大幅向上したことで、大幅増となった。
財務状況は緩やかに改善傾向も、さらなる財務体質の強化が必要
2. 財務状況
同社は収益の長期低迷を経た後に海外での収益基盤が安定し、純資産も増加に転じ、自己資本比率が2018年12月期第2四半期末にようやく20%超まで回復、2021年12月期末には26.8%となった。
しかし、全体的に財務体質は脆弱であり、金利上昇リスクが増していることなどから、さらなる財務体質の強化が必要と考える。
なおキャッシュ・フローについては、海外工場の設備増強が一巡したことで、2021年12月期のフリー・キャッシュ・フローは2018年12月期以来のプラスに転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
1. 2021年12月期の業績概要
不二精機 (T:6400)の2021年12月期の連結業績は売上高7,468百万円(前期比26.3%増)、営業利益606百万円(同2.1倍)、経常利益616百万円(同4.3倍)、親会社株主に帰属する当期純利益506百万円(同5.1倍)となった。
2021年12月期は2020年12月期のコロナ禍の影響による期ずれや反動増などの影響、償却負担額の増加が一巡したことなどもあり、利益が想定以上となった。
事業別では、射出成形用精密金型及び成形システム事業は売上高2,838百万円(前期比22.0%増)、営業利益260百万円(同2.7%減)となった。
医療機器用精密金型の売上に、2020年12月期のコロナ禍の影響で検収手続きに遅延が生じたことで期ずれとなった3億円程度が含まれ、大幅増収となった。
利益面では、受注案件の利益率低下が影響、利益は減少した。
精密成形品その他事業は、売上高4,630百万円(前期比29.1%増)、営業利益328百万円(同14.3倍)となった。
主力の自動車部品用成形品は、東南アジア市場を中心に中期的な受注を継続して獲得、インドネシア子会社は過去最高益を更新、タイ子会社も売上高で過去最高を記録するなど増産設備稼働に加え、コロナ禍の影響により落ち込んだ受注の反動増による稼働率アップにより、増収となった。
利益面も、経費削減の実行効果により利益率が大幅向上したことで、大幅増となった。
財務状況は緩やかに改善傾向も、さらなる財務体質の強化が必要
2. 財務状況
同社は収益の長期低迷を経た後に海外での収益基盤が安定し、純資産も増加に転じ、自己資本比率が2018年12月期第2四半期末にようやく20%超まで回復、2021年12月期末には26.8%となった。
しかし、全体的に財務体質は脆弱であり、金利上昇リスクが増していることなどから、さらなる財務体質の強化が必要と考える。
なおキャッシュ・フローについては、海外工場の設備増強が一巡したことで、2021年12月期のフリー・キャッシュ・フローは2018年12月期以来のプラスに転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)