[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが大半の主要通貨に対し下落した。市場の注目は5日発表の米雇用統計に向かっている。
週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を超えて増加し、労働市場の一部が軟調になっている可能性が示されたことで、ドルは下げ足を速めた。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.704%安の105.720。
ポンド/ドルは0.19%高の1.2166ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は4日、政策金利を1.25%から0.5%ポイント引き上げ1.75%とした。インフレ高進に対処するため27年ぶりの大幅利上げに踏み切った。
ただ、インフレが年内に13.3%に達し、英経済が第4・四半期にリセッション(景気後退)入りする可能性があるという見通しを示したことで、ポンドは下落する場面もあった。
ユーロ/ドルは0.79%高の1.0244ドル、円も対ドルで0.76%上昇し、1ドル=132.83円。
マネックス・セキュリティーズののトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は「金融引き締めに関し何が起こるか想定済みというのが市場の全体的なセンチメント」で、投資家は「今後数カ月で状況が悪化しても、一時的と考えている」と指摘した。
クリーブランド地区連銀のメスター総裁は4日、連邦準備理事会(FRB)はインフレを目標の2%に回帰させるため、フェデラルファンド(FF)金利を「4%を幾分上回る水準に引き上げることが適切」という認識を示し、来年上半期まで金融引き締めを続けることを目指す必要があると述べた。
金融市場には9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利上げ予想が織り込まれているほか、0.75%ポイントの利上げ確率も約44%織り込んだ。
1─3日に実施したロイター為替予測調査によると、ドルの上昇はまだピークに達していないとの見方が大勢となった。ただ、ドル高がいつまで続くかに関しては見方が分かれた。