[ニューヨーク 9日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を10日に控えリスク選好度が低下する中、ドルの安全通貨としての投資妙味が増し、序盤の下げから切り返した。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.047%高の106.38。
マネックスUSAのトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏はドルの安全資産としての魅力の背景について「世界的な問題が山積し、世界成長に大きな下押し圧力がかかっている」と指摘した。
米連邦準備理事会(FRB)が9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でどの程度積極的な利上げに動くかを見極める手がかりを示すとして、CPIが注目される。
ロイターのエコノミスト調査によると、7月のCPIは前年比8.7%上昇することが予想されている。6月は9.1%上昇していた。
金利先物市場は、9月の0.75%ポイント利上げの確率を約67%の確率を織り込んでいる。
オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は、CPIが予想を上回る伸びとなれば、「ドルが対ユーロで再びパリティ(等価)を試すだろう」と述べた。
ユーロは0.2%高の1.0204ドル、ポンドは0.12%安の1.2065ドル。ドル/円は0.14%安の135.195円。
ミズホのシニアエコノミスト、コリン・アッシャー氏は「CPIは、FRBが利上げを停止しない可能性を示唆すると考える。そうなれば米株価は下落し、今後数カ月のドルの下落は抑制されるだろう」と述べた。
リスク心理のバロメーターとされる豪ドルは0.41%安の0.6955米ドル、ニュージーランドドルも0.14%安の0.62765米ドル。