[北京 16日 ロイター] - 中国国家統計局が16日発表したデータに基づきロイターが算出した2月の新築住宅価格は前月比0.3%上昇と、2021年7月以来の高い伸びを記録した。当局による経済再開の動きと不動産部門の支援策が住宅需要を促進した。
伸び率は1月の0.1%から加速。2カ月連続のプラスとなった。
前年比では1.2%下落し、10カ月連続のマイナスとなった。1月の1.5%からは下落幅が縮小し、過去7カ月で最小となった。
昨年12月のゼロコロナ政策解除を受けて、不動産市場の見通しは改善している。
植信投資研究院のアナリスト、馬泓氏は、価格の上昇は支援策に促された繰延需要のおかげだと指摘し、「今年前半は住宅価格が低迷し、後半に上昇すると予想していたため(2月の)数値は私にとって驚きだった」と述べた。
同氏によると、現在の住宅価格は、価格の下落サイクルが始まった21年第2・四半期末をやや下回る水準にとどまっている。
2月に新築住宅価格が前月比で上昇したのは、70都市中55都市。前月は36都市だった。
66の2級および3級都市のうち、51都市で2月の新築住宅価格が上昇。前月は34都市だった。
一方、アナリストによると、中小都市における大量の売れ残り新築住宅が、このセクターの持続的な回復見通しに暗い影を落としている。
1─2月の公式統計によると、住宅販売、デベロッパー投資、建設着工は減少ペースが緩和しており、不動産市場が安定に向かっていることを示唆している。
地方政府は引き続き今年の需要喚起に向けた対策を強化している。