[東京 11日 ロイター] - ドル/円は午後3時時点で、前日のニューヨーク市場終盤(134.34/37円)から小幅安の134.28/30円付近で取引されている。米インフレの小幅な鈍化を背景に米利上げ停止観測が強まり、ドル売り/円買いが優勢となった。
東京市場は134円前半で取引を開始。時間外取引の米金利の低下を眺めて、ドルは一時133.89円付近まで軟化。仲値にかけては国内輸入企業によるドル買いに支えられ、その後は134円前半で小動きとなった。
前日発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前年比の伸び率が4.9%と2年ぶりに5%を下回り、2021年4月以降で最小となった。
発表後のCMEのフェドウォッチによると、米連邦準備理事会(FRB)が6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げを決定する確率は現時点では8.5%と前日(21.2%)から低下した一方、利上げ据え置きの確率は91.5%となった。また、年内の利下げも織り込む動きが増えた。
みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は「足元は期待先行の利上げ停止・年内の利下げ観測で金利が低下し、ドル安となった」と指摘。ただ「インフレは鈍化しているものの、米雇用や時給伸び率もしっかりしていることを踏まえると、4.5%近辺で下げ渋る可能性がある。今後の経済指標次第では再び追加利上げを巡る思惑が強まる」との見方を示す。
朝方公表された日銀の主な意見については、「(4月会合で)植田日銀総裁が会見で話した内容と相違はなく、サプライズはない。市場が当初想定していた程、日銀が金融正常化に前のめりではなく、慎重に見定めていくという印象。イールドカーブ・コントロールについては見方が分かれるなど、日銀が修正に前向きなのか判断が難しく、市場の反応は鈍かったようだ」(ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏)との声が聞かれるなど、相場の反応は乏しかった。
日銀が4月27―28日に開いた金融政策決定会合では、2%物価目標の実現が視野に入ってきたものの「上下双方向にリスクがあり、当面は金融緩和の継続が適当だ」との意見が出ていた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 134.28/30 1.0977/81 147.40/44
午前9時現在 134.08/10 1.0981/85 147.26/30
NY午後5時 134.34/37 1.0980/84 147.57/61