Lisa Pauline Mattackal
[29日 ロイター] - ブラジル中央銀行が進める中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトの調整役ファビオ・アラウジョ氏は29日、CBDC導入前に解決すべき問題として、プライバシーの維持とブロックチェーン(分散台帳)技術の理解促進を挙げた。ロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで述べた。
デジタルレアル「DREX」は、2024年5月に第1段階として金融機関を対象にした試験運用が始まる予定。
アラウジョ氏は、分散型台帳技術の基となっているイーサリアム・バーチャル・マシーン(EVM)が、全情報が参加者に見えてしまう傾向があり、プライバシー保護の点で課題があると指摘した。企業が新たな活用を見出すことを期待しており、市場の成熟も解決すべき重要な課題と述べた。
中銀は、来年5月以降、新たなプロトコルの試験を行い、来年末までに対象を広げた試験運用を開始したいと考えている。この予定について、アラウジョ氏は安全性やプライバシーの要件が満たされることが条件と説明した。
デジタルレアルの導入で金融サービスを利用しやすくすることが中銀の狙い。アラウジョ氏は、まず政府債投資の利便性につながる可能性を指摘した。