Yoshifumi Takemoto
[17日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は17日、訪問先の米ワシントンで記者団の取材に応じ、イエレン米財務長官との会談で為替について緊密に意思疎通することを確認したと明らかにした。韓国の崔相穆(チェ・サンモク)企画財政相とも急速な円安、ウォン安について協議した。
日米韓はこの日、3カ国の財務相会合を初めて開催し、「最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識」、「外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」などの文言を盛り込んだ共同声明を発表した。日米、日韓それぞれ2国間の財務相会談も開いた。
鈴木財務相は為替について「行き過ぎた動きには適切に対応する」と述べる一方、具体策についてはコメントを控えた。
イエレン氏との会談では、足元の円安・ドル高について「われわれの思いは伝えた」と記者団に説明。その上で、「為替はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿って安定的に推移するのが望ましい」と述べた。
その後に記者団の取材に応じた神田真人財務官は日米韓財務相会合について、鉄鋼など中国の過剰生産問題で深刻な懸念を共有したことを明らかにした。
3カ国の財務相は共同声明に「経済的威圧と主要部門における過剰生産能力を含む、サプライチェーンの脆弱性と他国の非市場的慣行による我々の経済へのあり得べき損害に打ち克つための協調の重要性を強調する」との文言を盛り込んだ。
鈴木財務相はウクライナのマルチェンコ財務相とも個別に会談した。
(竹本能文 編集:久保信博)