*13:39JST 国内株式市場見通し:金利上昇を受けてTOPIXが年初来高値を更新する可能性も
■金利上昇が警戒されて日経平均の上値は重い
今週の日経平均は週間で158.21円安(-0.41%)の38487.90円と下落。
長期金利の指標となる新発10年国債利回りが1.100%まで上昇するなど、日本銀行による金融政策の早期正常化が意識されるなか、積極的な買いが手控えられ方向感に乏しい地合いとなった。
日本だけではなく、米国も長期金利が上昇しており、10年国債利回りは約1カ月ぶりに4.6%台まで上昇。
NYダウは、セールスフォースなど構成銘柄の急落も影響し、5月20日につけた終値ベースの史上最高値40003.59ドルから約2週間で一時5%ほど下落。
米国株下落は日本株の重しとなった。
週末は「政府が公務員年金など100兆円規模の公的マネーを積極運用に回す」と報じられたことなどが材料視されて上昇したものの、25日移動平均線水準まで値を戻すと上値は重くなった。
プライム市場の売買代金は、MSCI定期見直しに伴うリバランスが大引けで入った5月31日は7.7兆円と、2022年4月の市場区分見直し以降で最大の売買代金を記録したが、5月下旬にかけて商いは減少し、3兆円台の売買代金に留まる日も多かった。
なお、5月第4週(5月20-24日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1017億円売り越したほか、TOPIX先物を1137億円買い越し、225先物は316億円買い越したことから、合計436億円の買い越しとなった。
一方、個人投資家は現物を715億円買い越すなど合計で219億円売り越し。
なお、信託は現物を108億円と小幅に売り越した。
■6月の日米中銀会合までは方向感出にくいか
5月31日の米国株式市場はまちまち。
ダウ平均は前日比574.84ドル高(+1.51%)の38686.32ドル、ナスダックは2.06ポイント安(-0.01%)の16735.02、S&P500は42.03ポイント高(+0.80%)の5277.51で取引を終了した。
大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値240円高の38730円で取引を終えた。
金利上昇を受けて、ふくおかFG (TYO:8354)、九州FG (TYO:7180)、りそなHD (TYO:8308)など地銀株や、第一生命HD (TYO:8750)など保険株の動きが好調。
セクター別では上昇している業種もあるが、東京市場全体でみると金利上昇は買いを手控えさせる要因となっている。
2-3月の強い地合いであれば、金利上昇を「脱デフレ」とポジティブに捉え大型株が買われたかもしれないが、投資家心理が悪化している状況下、関連するセクター以外は買いを手控えるネガティブな捉え方が先行している様子。
6月13-14日に開催される日銀金融政策決定会合では、国債買入の段階的な減額や追加の利上げ時期などに対する声明、発言の有無が注目されている。
日銀会合の直前である11-12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)も開催されることから、6月中旬の日米中銀会合を通過するまで方向感に乏しい地合いは継続する可能性もあろう。
■NT倍率は今年最も低い水準
日足チャートでは、25日移動平均線が位置する38480円水準まで値を戻したが、4月下旬から一カ月ほど下値支持線として機能していた75日移動平均線38940円水準からは下放れた。
5月のプライム市場の平均売買代金(1営業日換算)は4.55兆円となった。
2月は5.16兆円、3月は5.12兆円、4月は4.45兆円であったが、2-3月と比較すると減少傾向にある。
売買代金は株価より先行してピークを付ける傾向があるが、日経平均は3月22日に終値ベースの史上最高値40888.43円を付けていることから、今回もセオリー通りとなっている。
一方、TOPIXは、25日移動平均線より上で推移している。
日経平均とは異なり、TOPIXは75日移動平均線より25日移動平均線の方が上で推移していることからTOPIXの方がチャート形状は強いと言えよう。
金利上昇を受けて時価総額が大きい銀行株や保険株が上昇している一方、東京エレクトロン (TYO:8035)、アドバンテスト (TYO:6857)といった値がさ半導体株がさえないことから、NT倍率は13.88倍と今年最も低い水準である。
TOPIXは3月22日の終値ベースの年初来高値2813.22ポイントまであと2%を切っている。
6月中旬の日米中銀会合まで、TOPIX優位の地合いが続けば、TOPIXが年初来高値を更新する可能性もあろう。
■6日ECB理事会、7日に米雇用統計
来週は、国内では、3日に1-3月期設備投資、4日に5月マネタリーベース、5日に4月毎月勤労統計、7日に4月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、3日に中・5月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米欧独英仏・5月製造業PMI(改定値)、米・5月ISM製造業景気指数、4日に米・4月JOLTS求人件数、製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、5日に豪・1-3月期国内総生産(GDP)、中・5月財新サービス業/総合PMI、米・5月ADP全米雇用報告、サービス業/総合PMI(改定値)、ISM非製造業景気指数、週間原油在庫、6日に欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、米・週次新規失業保険申請件数、4月貿易収支、7日に中・5月貿易収支、欧・1-3月期ユーロ圏GDP(確報値)、米・5月雇用統計、4月卸売在庫(確報値)などが予定されている。
今週の日経平均は週間で158.21円安(-0.41%)の38487.90円と下落。
長期金利の指標となる新発10年国債利回りが1.100%まで上昇するなど、日本銀行による金融政策の早期正常化が意識されるなか、積極的な買いが手控えられ方向感に乏しい地合いとなった。
日本だけではなく、米国も長期金利が上昇しており、10年国債利回りは約1カ月ぶりに4.6%台まで上昇。
NYダウは、セールスフォースなど構成銘柄の急落も影響し、5月20日につけた終値ベースの史上最高値40003.59ドルから約2週間で一時5%ほど下落。
米国株下落は日本株の重しとなった。
週末は「政府が公務員年金など100兆円規模の公的マネーを積極運用に回す」と報じられたことなどが材料視されて上昇したものの、25日移動平均線水準まで値を戻すと上値は重くなった。
プライム市場の売買代金は、MSCI定期見直しに伴うリバランスが大引けで入った5月31日は7.7兆円と、2022年4月の市場区分見直し以降で最大の売買代金を記録したが、5月下旬にかけて商いは減少し、3兆円台の売買代金に留まる日も多かった。
なお、5月第4週(5月20-24日)の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1017億円売り越したほか、TOPIX先物を1137億円買い越し、225先物は316億円買い越したことから、合計436億円の買い越しとなった。
一方、個人投資家は現物を715億円買い越すなど合計で219億円売り越し。
なお、信託は現物を108億円と小幅に売り越した。
■6月の日米中銀会合までは方向感出にくいか
5月31日の米国株式市場はまちまち。
ダウ平均は前日比574.84ドル高(+1.51%)の38686.32ドル、ナスダックは2.06ポイント安(-0.01%)の16735.02、S&P500は42.03ポイント高(+0.80%)の5277.51で取引を終了した。
大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値240円高の38730円で取引を終えた。
金利上昇を受けて、ふくおかFG (TYO:8354)、九州FG (TYO:7180)、りそなHD (TYO:8308)など地銀株や、第一生命HD (TYO:8750)など保険株の動きが好調。
セクター別では上昇している業種もあるが、東京市場全体でみると金利上昇は買いを手控えさせる要因となっている。
2-3月の強い地合いであれば、金利上昇を「脱デフレ」とポジティブに捉え大型株が買われたかもしれないが、投資家心理が悪化している状況下、関連するセクター以外は買いを手控えるネガティブな捉え方が先行している様子。
6月13-14日に開催される日銀金融政策決定会合では、国債買入の段階的な減額や追加の利上げ時期などに対する声明、発言の有無が注目されている。
日銀会合の直前である11-12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)も開催されることから、6月中旬の日米中銀会合を通過するまで方向感に乏しい地合いは継続する可能性もあろう。
■NT倍率は今年最も低い水準
日足チャートでは、25日移動平均線が位置する38480円水準まで値を戻したが、4月下旬から一カ月ほど下値支持線として機能していた75日移動平均線38940円水準からは下放れた。
5月のプライム市場の平均売買代金(1営業日換算)は4.55兆円となった。
2月は5.16兆円、3月は5.12兆円、4月は4.45兆円であったが、2-3月と比較すると減少傾向にある。
売買代金は株価より先行してピークを付ける傾向があるが、日経平均は3月22日に終値ベースの史上最高値40888.43円を付けていることから、今回もセオリー通りとなっている。
一方、TOPIXは、25日移動平均線より上で推移している。
日経平均とは異なり、TOPIXは75日移動平均線より25日移動平均線の方が上で推移していることからTOPIXの方がチャート形状は強いと言えよう。
金利上昇を受けて時価総額が大きい銀行株や保険株が上昇している一方、東京エレクトロン (TYO:8035)、アドバンテスト (TYO:6857)といった値がさ半導体株がさえないことから、NT倍率は13.88倍と今年最も低い水準である。
TOPIXは3月22日の終値ベースの年初来高値2813.22ポイントまであと2%を切っている。
6月中旬の日米中銀会合まで、TOPIX優位の地合いが続けば、TOPIXが年初来高値を更新する可能性もあろう。
■6日ECB理事会、7日に米雇用統計
来週は、国内では、3日に1-3月期設備投資、4日に5月マネタリーベース、5日に4月毎月勤労統計、7日に4月景気動向指数(速報値)などが予定されている。
海外では、3日に中・5月財新製造業購買担当者景気指数(PMI)、米欧独英仏・5月製造業PMI(改定値)、米・5月ISM製造業景気指数、4日に米・4月JOLTS求人件数、製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、5日に豪・1-3月期国内総生産(GDP)、中・5月財新サービス業/総合PMI、米・5月ADP全米雇用報告、サービス業/総合PMI(改定値)、ISM非製造業景気指数、週間原油在庫、6日に欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、米・週次新規失業保険申請件数、4月貿易収支、7日に中・5月貿易収支、欧・1-3月期ユーロ圏GDP(確報値)、米・5月雇用統計、4月卸売在庫(確報値)などが予定されている。