皆さん、こんにちは。
フィスコリサーチアナリストの飯村真由です。
本日24日の株式市場では、RIZAPグループ {{|0:}}の企業が軒並み高騰し、上昇率上位を独占しました!
★【新たなM&Aを発表!】
前日引け後、ヤマノホールディングス (T:7571)傘下の堀田丸正 (T:8105)の子会社化を発表しました。
上場企業の買収は8社目となります。
第三者割当増資は、1株55円×3500万株、振込払込金額は19億2500万円、払込期日は6月28日です。
第三者割当増資後のRIZAPグループの株式所有割合は決議権ベースで62.27%となります。
★【上場率ランキングを独占!】
本日、堀田丸正はストップ高比例配分、RIZAPグループは上場来高値を更新しました!
その他の上場子会社も一斉高となり、24日の値上がり率ランキング(全市場)では、30位以内にRIZAPグループ企業が7社ランクインする上位独占状態となりました。
(堀田丸正を含めない現上場企業数は、親会社RIZAPグループ+子会社7社の合計8社です)
~【24日の値上がり率ランキング(全市場)】~
◇上場率トップ:堀田丸正を売却するヤマノホールディングス (T:7571)・・・売却益へ関心が向かいストップ高!前日比+49.50%。
終値151円。
◇2位:堀田丸正 (T:8105)・・・ストップ高比例配分!前日比+37.31%。
終値184円。
◇5位:パスポート (T:7577)・・・ストップ高!前日比+23.53%。
終値420円。
◇7位:ぱど (T:4833)・・・ストップ高!前日比+20.25%。
終値475円。
◇8位:SDエンターテイメント (T:4650)・・・ストップ高!前日比+19.58%。
終値916円。
◇9位:夢展望 {{|0:}}・・・一時ストップ高!前日比+19.00%。
終値2511円。
◇17位:イデアインターナショナル (T:3140)・・・前日比+15.77%。
終値2290円。
◇26位:ジーンズメイト (T:7448)・・・前日比+11.36%。
終値392円。
◇29位:RIZAPグループ {{|0:}}・・・前日比+10.21%。
終値1155円。
※マルコ (T:9980)のみ100位圏外。
前日比+3.61%。
終値316円。
★【M&A戦略を再評価する流れ!】
実は、これまで上場企業のM&Aを発表した際、「買われる側の企業は翌日にストップ高!でも、RIZAPグループの株価インパクトはいまいち…」という状況が多く見られたのですが、その流れがここにきて大きく変わりましたね。
先週15日の決算発表以降、マルコや夢展望などの上場子会社の業績改善が鮮明となったことで、RIZAPグループのM&A戦略が評価されているのです。
また、株式分割の実施や株主優待の新設・拡充を発表した子会社も多かったため、市場の関心が向かっています。
★【上場子会社の主な注目ポイント!】
◇黒字転換:前期17年3月期にマルコが3期ぶりの黒字転換を達成。
今期18年3月期は夢展望、ジーンズメイト、パスポート、ぱどが黒字転換する見通し。
◇株式分割:イデアインターナショナルが5月末に1株→2株に分割予定。
夢展望が6月末に1株→2株に分割予定。
◇株主優待:夢展望が今期から優待制度を新設。
イデアインターナショナルとマルコが優待制度を大幅拡充。
★【夢展望は7日間で株価3.6倍に!】
グループ全8社のうち、15日の決算発表以降の7日間で、3社が株価2倍超となっています。
◇夢展望:15日終値690円→24日終値2511円(7日間で3.64倍!)・・・今期黒字転換予想、株式分割、株主優待の新設の発表により最も大きな株価インパクトに!
◇イデアインターナショナル:15日終値1110円→24日終値2290円(7日間で2.06倍!)
◇マルコ:15日終値154円→24日終値316円(7日間で2.05倍!)
★【短期2倍達成銘柄の共通点!】
この夢展望、イデアインターナショナル、マルコの3社には、「RIZAPグループが子会社化した後、社長を交代し、黒字転換を達成した」という共通点があります。
RIZAPグループから優秀な人材を送り出す形で新社長体制に移行し、企業再編に成功したというわけです。
◇イデアインターナショナル:グループ入り時期は2013年9月→2014年9月に森現社長に交代。
◇夢展望:グループ入り時期は2015年3月→2016年12月に濱中現社長に交代。
◇マルコ:グループ入り時期は2016年7月→2017年3月に岩本現社長に交代。
ちなみに、イデアインターナショナルの森社長、マルコの岩本社長はRIZAPグループの取締役も兼務されています。
★【買収後の社長交代はマストではない!】
ですが、必ず買収直後に社長交代というわけではないんですよ。
瀬戸社長に以前、M&A戦略についてインタビューした際、「社長交代はマストではありません。
社長のポジションを奪うことがM&Aの目的なわけではないです。
その人の思いや人生があるわけですから、子会社化した後も丁寧に対話することを心掛けています」と、おっしゃっていたことが印象的でした。
★【RIZAPグループの今期本業利益は実質倍増計画!】
引き続き主力のRIZAP事業が業績の牽引役となっており、今期18年3月期は売上収益で前期比57.6%増の1502億円、営業利益で同27.4%増の130億円を見込んでいます。
前期17年3月期の営業利益102億円のうち、RIZAP事業を中心とした本業の利益着地が約44億円(利益着地額:約64億円の利益から先行投資費用および赤字事業の損失等の約20億円を引いたもの)であったのに対し、M&Aの際に純資産以下での買収に成功した割安購入益「負ののれん」による押し上げ分が約58億円分でした。
今期の営業利益は130億円の予想のうち、「負ののれん」を除いた本業の利益額が前期の営業利益102億円を上回る予定で、実質的に本業の利益が前期に比べて倍増する計画となっています。
★【上場来高値更新は通過点!?】
オーガニックな成長とM&A戦略に再評価が向かい、RIZAPグループは本日ついに昨年7月につけた上場来高値を更新しましたが、その株価水準はPER18倍台と割安に感じられます。
同社グループの成長性を考慮した中長期的なシナリオとしては、あくまでも上場来高値更新は通過点といえるのではないでしょうか。
今後のM&Aにも注目ですね!
フィスコリサーチアナリスト
飯村 真由