ドル/円
午前9時現在 84.02/03 1.3162/64 110.59/62
NY17時現在 83.94/99 1.3184/91 110.65/72
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[東京 20日 ロイター] 午前9時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点
とほぼ変わらずの84円付近。手掛かり材料に乏しい中、ドルが底堅さを維持する一方、
ユーロの下値不安は払拭されていない。欧州連合(EU)首脳会議では、2013年半ば
の欧州安定メカニズム(ESM)設置に向け、EU基本条約を改定することで合意したが、
欧州債務危機に対する懸念を根本的に抑えるには至らなかった。
「ドル/円は84円を中心とする小動きに終始しそうだが、週末に一連のユーロ安材料
をこなしても、ユーロ/ドルの下値が固まった感じはしない」(邦銀)という。
17日の東京時間夕刻、格付け機関のムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ア
イルランドの格付けを「Aa2」から5段階引き下げ、「Baa1」とすると発表した。
見通しは「ネガティブ」。 ムーディーズは、アイルランドが予期しうる将来に債務指標
を改善させることができなければ、さらなる格下げの可能性があると警告した。 フィッ
チも先週、アイルランドの格付けを3段階引き下げ、「BBB+」としている。
このニュースを受け、ユーロがまず売られたが、英ポンドも値を崩した。
英ポンドは
ドル付近の高値から一時1.5454ドルまで下値を伸ばした。一部国有化された英ロイ
ズ・バンキング・グループ
イルランド関連ポートフォリオが年末までに、さらに10%棄損する、との見方を明らか
にしたことが背景。
ロイズ銀のアイルランド関連ポートフォリオは267億ポンド(417億2000万ド
ル)規模。 今後ポートフォリオに対する引当金を積み増すとし、2010年通年の同国
エクスポージャー関連費用は約43億ポンドに達する見込みとした。
国際通貨基金(IMF)は17日、アイルランドが緊急融資の返済能力に影響を及ぼす
可能性のある深刻なリスクに直面しており、2015年までに財政赤字を対国内総生産
(GDP)比3%に削減することは困難との見方を示した。
(ロイター 森佳子記者)