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窪田製薬HD Research Memo(5):研究開発ステージのため当面は損失計上が続く見通し

発行済 2018-12-17 15:05
更新済 2018-12-17 15:20
窪田製薬HD Research Memo(5):研究開発ステージのため当面は損失計上が続く見通し
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■業績動向

1. 2018年12月期第3四半期累計の業績概要
窪田製薬ホールディングス (T:4596)の2018年12月期第3四半期累計の連結業績は、事業収益の計上がなく、研究開発費や一般管理費の計上により営業損失で2,341百万円(前年同期は2,922百万円の損失)、税引前損失で2,182百万円(同2,793百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失で2,182百万円(同2,793百万円の損失)となり、おおむね会社計画どおりの進捗となった。


費用の内訳を見ると、研究開発費は前年同期比で134百万円減少した。
エミクススタトの増殖糖尿病網膜症やスターガルト病の研究開発費用が減少したことによる。
また、一般管理費は同446百万減少した。
人員減に伴う人件費の減少(237百万円減、株式報酬費用含む)やIFRSへの移行及び三角合併関連費用等の減少(137百万円減)、その他経費の見直しに取り組んだことが主因となっている。


2. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の連結業績は、事業収益の計上予定がなく、営業損失で3,500百万円(前期は3,619百万円の損失)、税引前損失、親会社の所有者に帰属する当期損失でそれぞれ3,370百万円(同3,444百万円の損失)とそれぞれ期初計画を据え置いている(為替前提レートは110円/ドル)。


事業収益については製薬企業等との様々なパートナーシップの可能性を検討し、提携を通じて収益確保を目指していく方針となっている。
一方、費用面では研究開発費が前期の2,379百万円から若干増加する見通し。
スターガルト病の臨床第3相試験を当第4四半期から開始したことに加え、PBOSやオプトジェネティクス等の開発が進むためだ。
一方で、一般管理費は継続的にコスト見直しを進めており、人件費や間接費の減少を見込んでいる。



スターガルト病の開発費用は新株予約権の行使と手元資金で充当していく方針
3. 財務状況
2018年12月期第3四半期末の総資産は前期末比1,556百万円減少の11,839百万円となった。
主に研究開発投資や間接コストの支払いにより現預金やその他金融資産が減少したことが主因となっている。
負債合計は前期末比65百万円増加の495百万円となった。
主に未払債務が94百万円増加したことによる。
また、資本合計は前期末比1,622百万円減少の11,344百万円となった。
新株予約権の行使に伴い資本金及び資本準備金が合計455百万円増加した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期損失を2,182百万円計上したことにより欠損金が拡大したほか、対米ドルの為替レートが前期末比でやや円高になったことで、その他の包括利益が12百万円減少したことが要因となっている。


なお、2018年4月にスターガルト病の臨床第3相試験の費用調達を目的に新株予約権を発行し、11月末日時点で全体の53%が行使されている。
10月以降11月末日までに新たに249百万円を調達している。
残りの潜在株式数は188万株で、下限行使価額(272円)ですべてを行使したと仮定すれば、5億円強を調達できることになる。
新株予約権発行に関するリリースによれば、スターガルト病の第3相臨床試験費用として2020年4月までに20億円強を想定していたため当初の資金調達予定額には達しない可能性があるが、仮に達しない場合でも手元資金で臨床試験費用を充当していく予定にしている。
2018年9月末時点における手元資金残高は11,372百万円であり、スターガルト病の臨床試験の規模やその他パイプラインの開発動向次第ではあるが、当面の事業活動を行っていくうえでは問題のない水準にあると判断される。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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