日経平均<.N225> 日経平均先物3月限<0#2JNI:>
終値 10452.71 (-126.39) 終値 10470 (-100)
寄り付き 10533.20 寄り付き 10550
安値/高値 10428.38─10542.70 安値/高値 10430─10550
出来高(万株) 257885 出来高(単位) 80237
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[東京 24日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は3日続落。3週間ぶりに
1万0500円を割り込んだ。中東・北アフリカでの政情不安を背景とした米株安や、東
武鉄道<9001.T>やアステラス製薬<4503.T>などのファイナンスによる需給悪化懸念が売り
材料となった。下値では押し目買いや打診買いなどが入り下げ渋る場面もあったが、円高
基調を受けて売り圧力が増し、下げ幅を広げた。混迷する中東情勢次第では日本株が調整
入りする可能性があるとの指摘が聞かれる。
東証1部騰落数は値上がり159銘柄に対し値下がり1454銘柄、変わらずが58銘
柄。東証1部の売買代金は1兆7415億円。
23日の米国株式市場では、リビア情勢の混乱を背景に米原油先物
ドル台に上昇するなか、ナスダック総合指数<.IXIC>が1.21%安となるなど主要3指
数は続落。東京市場では主力株中心に売りが広がり、日経平均は寄り付きで25日移動平
均線(1万0551円07銭=23日現在)を下回った。市場では「先物にヘッジファン
ド等からとみられる大口売りが出た。裁定買い残が積み上がっていたため解消売りを誘発
しやすい状態だ」(大手証券)との声があった。
個別銘柄では、前日引け後にファイナンスを発表した東武鉄道<9001.T>やアステラス製
薬<4503.T>が注目された。東武鉄道は公募増資などで最大約932億円を調達する。アス
テラス製薬も三菱東京UFJ銀行と日本興亜損害保険が保有するアステラス株式、合計
474万8000株を売り出す。さらに東洋紡<3101.T>は海外募集による新株発行を通じ、
手取概算で最大約187億円を調達する。3銘柄は需給悪化の懸念で寄り付きから売られ
た。内需株が選好されやすい地合いのなか、こうしたファイナンスで内需株も買いにくい
展開だった。
一方、米原油先物がリビア情勢の悪化で需給ひっ迫懸念が高まり、2008年10月以
来の高値をつけたが、石油関連株は目先の相場を見極める動きが続いた。序盤には石油関
連が全般的に上昇したが、その後はまちまち。国際石油開発帝石<1605.T>や石油資源開発
<1662.T>は終日しっかりだったが、AOCホールディングス<5017.T>、コスモ石油
<5007.T>、JXホールディングス<5020.T>などには利益確定売りが出た。
打診買いや押し目買いが支えとなり下げ渋る場面もあったが、戻りは限られた。混迷し
続ける中東情勢への不透明感が重しとなっている。後場には外為市場でドル/円が一時
82円を割り込むなど円高に振れたことで売り圧力が強まり下値模索の展開となった。市
場からは「日経平均が節目である1万0500円を割り込んだことでスピード調整入りの
可能性が強まっている。中東問題が落ち着けば下値も限られるだろうが、サウジアラビア
などに拡大するようなら日経平均1万円割れの可能性もあるだろう」(中堅証券)との見
方が聞かれた。
トヨタアセットマネジメント・投資戦略部チーフストラテジストの濱崎優氏は「株式市
場での調整がどの程度で終わるかは中東情勢次第。先行きがすぐに見通せない。基本的に
は景気が踊り場を過ぎて再加速していく局面なので、下げれば買いたいというところだが、
実際に本格的に押し目買いが入るかは中東情勢次第というところもある。ある程度下がる
と少し打診買いが入り、また下がると打診が入る状況だが、今のところ大きな反発につな
がるような押し目買いはみられない」と述べた。
(ロイターニュース 杉山容俊)