[カイロ 26日 ロイター] - 中東を歴訪中のブリンケン米国務長官26日、エジプトを訪問し、シシ大統領らと会談した。エジプトは21日に発効したイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦を仲介。ブリンケン氏はエジプトと協力して地域の安全を守りたいと表明した。
ブリンケン長官は大統領宮殿でシシ大統領のほか、シュクリ外相、カメル総合情報庁(GIS)長官と会談。「エジプトという効果的なパートナーがいたことで、暴力を比較的早期に終わらせることができた。現在、前向きな事態の構築に向け、緊密に連携している」と述べた。
その上で、イスラエル人とパレスチナ人が「ともに安全に生活し、同等の自由、機会、尊厳を享受する」という共通の目標の達成に向け、エジプトは必要不可欠と表明。米国は、ハマスが人道支援の恩恵を受けることがないようにすると述べた。
エジプト大統領府の声明によると、シシ大統領はブリンケン長官に対し、米国が関与するイスラエルとパレスチナの直接協議が必要であることが改めて確認されたと伝えた。
シシ大統領はこのほか、ドイツのメルケル首相ともビデオ形式で会談を行った。
ハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワール氏は記者会見で、 ガザ地区の再建に向けたアラブ界や国際社会の取り組みを歓迎すると表明。「全ての関係者が円滑に任務を遂行できるようにし、再建プロセスが透明かつ公平であることを確証する。いかなる支援金もハマス、および(ハマス傘下の)カッサムに渡らないようにする」と述べた。
ブリンケン氏はエジプトに先立ち、エルサレムとラマラを訪問。前日、パレスチナ自治区ガザの復興・経済支援に向けた資金拠出の意向を表明した。
ガザ地区と境界を接するエジプトは、今回の戦闘時に医療支援などを実施。米国務省当局者はこれまでに、支援金の配布にあたりエジプトが何らかの役割を果たすとの見方を示している。
ブリンケン氏は26日、ヨルダンの首都アンマンも訪問した。