[パリ 20日 ロイター] - フランスで20日、統一地方選の第1回投票が実施され、イプソスの出口調査によると、中道右派の共和党が全国得票率27.2%で首位に躍進し、極右の国民連合(RN)は19.3%の2位と一部で予想されていたほど支持が伸びなかった。
27日に第2回投票が予定されており、来年の大統領選を前に注目度が高い。一部予想ではルペン党首率いるRNが激戦地域圏の南部プロバンス・アルプ・コートダジュールで同党にとって初の地域圏での勝利を収め、大統領選に向け弾みを付けるとみられていたが、実現は微妙な情勢となった。
共和党は2017年大統領選での大敗から返り咲いた。マクロン大統領の与党、共和国前進(REM)は11.2%の5位と、敗北を喫した。
今回の選挙は棄権者が全体の68.5%(調査会社エラブ推計)と高かった。新型コロナウイルス対策の活動制限が緩和されたばかりで、天候が良かったことが影響したとみられる。
ルペン氏は高い棄権率は「市民の大惨事」で選挙の現実を大幅にゆがめたと述べ、国民に「変化を求めるなら投票すべきだ」と訴えた。
同氏が率いるRN(前身・国民戦線)は前回15年の地方選に比べ、全国得票率が7%ポイント超低下した。
出口調査によると、共和党は北部「オードフランス」地域圏で善戦し、RNに予想より大きなリードをつけて首位に立った。
マクロン氏のREMの報道官は、屈辱的な敗北だと表現。全国の世論調査でマクロン氏の支持率は依然、歴代大統領より高いが、まだ地方に根付いていない現状が浮き彫りになった。
世論調査によると、ルペン氏は来年の大統領選第1回投票で首位に立つと予想されている。RNは地域圏の議会選で第1党に選ばれたことがまだない。来週の第2回投票で勝利を収めれば、大統領選での同党候補者の当選が現実味を帯びる。
2つの出口調査によると、RNはプロバンス・アルプ・コートダジュールで得票率首位に立っているが、2位の共和党候補に対するリードは事前予想より小さい。