[東京 23日 ロイター] - 「立ち止まらないでください!」──。東京五輪の開会式が行われるオリンピック・スタジアム(国立競技場)の最寄り駅である千駄ヶ谷駅で降りた直後、警察官の注意する声が飛んできた。
昼のニュースで「混んでいる」とは聞いていたが、この猛暑の中、まさかここまで混んでいるとは。
東京五輪開会式を数時間後に控え、国立競技場周辺は親子連れからカップル、外国人など無数の人でごった返していた。フェンスの向こうの競技場にカメラを向け、自撮りしている人、関係者を乗せたバスに手を振る人、開会式が開かれる夜に向けて場所取する人などであふれかえっている。「うちら、いまめっちゃオリンピックっぽいことしてるね」。すれ違ったカップルが、浮かれていた。
一方、駅前には五輪開催に反対する人たちが10人ほど声を上げ、警察官が横断歩道に壁を作って競技場方面に近づかせないようにしていた。
開会式だけでなく、ほとんどの競技が無観客開催となった今回の五輪。押し出されたかように会場の外で、それぞれの「思い」が渦巻いている。
(山口香子)