[東京 30日 ロイター] - 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は30日、東京五輪の体操女子で精神的な理由により競技を辞退したシモーン・バイルス(米国)について、勇気ある行動と称賛した。
体操界のスーパースターであるバイルスは、27日に行われた団体総合決勝で突如棄権して世界中に衝撃を与え、その直後には心の健康を守るために29日の個人総合決勝にも参加しない意向を示した。
バッハ会長は記者団に対し、団体戦後にバイルスと少し話す機会があったと明かし、「彼女は問題を抱えていることを認めているが、これは勇気のあることだ。1年前、メンタルヘルスの問題を告白できる人がいただろうか」とその勇気をたたえ、「われわれは彼女とともにある」と語った。
また、バッハ会長はバイルスが辞退後もチームに帯同して仲間のサポートを続けたことについて触れ、「素晴らしい人間性であり、最高のオリンピック精神だと思う」と賛辞を贈った。
バイルスは現在も東京に滞在しているが、今後に予定されている競技に出場するかどうかは未定。
バイルスは30日、インスタグラムでフォロワーからの質問に対する回答のような形で自身の問題について言及。「技をやろうとすると石化したような感じになり、心と体が1つになっていない」と説明している。