[東京 6日 ロイター] - 東京五輪のベラルーシ代表クリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手への帰国強制に関わった同国チームの陸上ヘッドコーチら2人が昨夜、同大会の資格証を剥奪され、選手村から退去した。国際オリンピック委員会(IOC)が6日、発表した。
IOCは声明で、東京に残っているベラルーシの五輪選手を守る観点から、昨夜にコーチ2人の資格証を剥奪したと説明。2人は選手村からの即時退去要請に応じ、すでに退去したという。
IOCは、2人が同選手への帰国強制に関わったとして、2日前から懲戒手続きに着手していた。
東京五輪の陸上競技に参加予定だったツィマノウスカヤ選手(24)は1日、同氏の批判に怒ったコーチに帰国を命じられたが、空港で帰国便への搭乗を拒否し、日本の警察に保護を求めた。その後、ポーランド政府が人道的査証(ビザ)を発給し、4日に日本を出て、亡命先のポーランドに到着。現地で5日に夫と再会した。
ベラルーシ・オリンピック委員会は6日声明を発表し、コーチ2人は直ちにミンスクに戻ると述べた。その上で、2人は今回の措置に異議を申し立てることも可能で、IOCと協議を続けることを希望しているとした。
IOCのバッハ会長は6日、ツィマノウスカヤ選手の事案は「遺憾」とし、規律委員会が引き続き調査すると述べた。「われわれは、ツィマノウスカヤ選手がポーランドで安全な状況にあることを嬉しく思う」と述べた。