[東京 6日 ロイター] - 東京五輪のサッカー男子日本代表は6日、3位決定戦を行い、メキシコに3─1で敗れ、53年ぶりの銅メダルを逃した。メキシコは1968年の自国開催五輪での3位決定戦で日本に敗れたが、今回、東京大会で日本を破った。
試合終了後、ピッチに泣き崩れてしばらく立てなかった久保建英は「今日勝つと決めてきて、グループリーグで勝ってた相手だったので、結果論だがどこか気の緩みがあったのかもしれない」と語った。「手ぶらで自分の家に帰ることになる。今までサッカーをやってきて、こんなに悔しいことはない。この気持ちを忘れないようにしたい」と涙ながらに話した。
試合は前半13分、遠藤航が自陣のペナルティーエリア内でファウルを取られPKに。セバスティアン・コルドバがこれを決め、メキシコが先制した。22分にはフリーキックからホアン・バスケスが頭で合わせ、2─0のメキシコリードで終了した。
後半は13分にメキシコが追加点。コルドバからのコーナーキックをアレクシス・ベガがヘディングで合わせ3─0とした。日本は23分に三笘薫(みとま・かおる)がゴールし反撃したが、及ばなかった。
オーバーエイジ枠で出場し、チームを引っ張った吉田麻也は「惨敗だった。胸張って帰りたい」と話した。「みんなに少しでも何かを与えられるようにと思ったが、若い選手からいろんなものを吸収できて、選手として成長できたのではないかと思う」と大会を振り返った。
今大会、日本は予選リーグを3戦全勝で突破したが、初の決勝進出をかけた3日の準決勝でスペインに0─1で敗れた。予選リーグでは日本はメキシコに2─1で勝っていた。
監督の森保一は「監督として選手の頑張りを結果に結び付けてあげられなかったのが残念」としたうえで、「選手の五輪に向けての努力は1ミリたりとも疑う余地はない。本当によくやってくれた。ただ、今日勝てなかったということは成長しなくてはならないということ。この悔しさを糧に彼らには成長して欲しい」と話した。
1968年のメキシコシティ大会では、日本代表は準決勝でハンガリーに敗れたが、3位決定戦で今大会と同じくメキシコと対戦し、2─0で勝利して銅メダルを獲得した。大会中に計7得点を挙げた釜本邦茂は得点王となった。
日本のサッカーが五輪に初めて出場したのは、16カ国が参加した1936年のベルリン大会。1回戦で優勝候補のスウェーデンを3─2で破り、「ベルリンの奇跡」と報じられたが、次の準々決勝でイタリアに0ー8で敗れた。