[東京 7日 ロイター] - 東京五輪は7日、今回新たに正式競技となった空手の男子組手75キロ超級の準決勝戦を行い、日本の荒賀龍太郎はサウジアラビアのタレグ・ハメディに敗れて銅メダルとなった。組手競技ではこれが日本勢唯一のメダル。
荒賀は予選から得意のスピードを生かした連打や、意表を突いた回し蹴りなどを駆使して準決勝へ勝ち上がったが、19年アジア大会の84キロ級で優勝したハメディの長身を生かした蹴りに間合いを詰めることができず、2対0で敗れた。
今回の五輪では、WFK(世界空手道連盟)では別階級の荒賀が属する75キロ超級と、ハメディの84キロ超級が統合された。荒賀は大柄な海外の重量級選手に対し、動き出しを攻撃するカウンターを繰り返し狙うなど、積極的に攻め続けたが、金メダルには届かなかった。
試合後のインタビューでは涙を流しつつ、「日本発祥の空手の、初めての五輪の舞台で、代表として選ばれたからには、しっかりとプライドを持って(戦い)、メダルなしでは帰れないと思った」と、周囲の期待という重圧とも戦ってきた心情を明かした。
組手には日本から男女6人が出場したが、荒賀以外は予選落ちだった。
荒賀は空手道場を経営する両親の下、世界選手権を連覇した姉、学生日本一の弟と育った。小学校時代から全国大会で優勝を積み重ね、全日本選手権も史上最年少の19歳で制した。
組手は手足に防具をつけて、突きや蹴りなどの攻撃で得たポイントを競う。正しい姿勢から繰り出す威力のある攻撃を、相手に危害を加えないようコントロールした技がポイントとなる。競技時間は3分だが、8ポイント以上差がついた場合は、その時点で勝敗が決まる。