[キエフ 13日 ロイター] - 東京五輪のレスリング男子グレコローマン87キロ級で金メダルを獲得したジャン・ベレニュク(ウクライナ)が、帰国後に街中で人種差別を受けたことを明らかにした。
ウクライナの黒人系では初の国会議員でもあるベレニュクは、先週の金メダル獲得時にはウクライナ国旗を持って伝統舞踊のホパックを踊った。
ベレニュクは、見知らぬ若者たちから差別的な暴言を浴びたことをフェイスブックで明かし、「愛国心の基準とは存在するのか」と投稿。「五輪のチャンピオンが母国、地元で安心感を得るにはどうすればいいのだろうか」と続けた。
これを受け、ソーシャルメディアではベレニュクを支持するメッセージで溢れ、ウクライナの警察当局は捜査を開始。同国のスポーツレスリング連盟のスポークスマンは「ベレニュクは私たちの英雄だ」と語り、ロイターの電話取材に対しても、悲しく不快な出来事だとしたうえで「(ベレニュクは)愛国者であり、真のウクライナ人であることを証明した」と答えてる。