[ソウル 1日 ロイター] - 朝鮮中央通信(KCNA)は1日、北朝鮮が9月30日に新たに開発した対空ミサイルの発射実験を実施したと伝えた。
発射実験は、兵器開発機関である国防科学院が実施。ミサイル発射装置やレーダー、総合戦闘指揮車の実用的な機能と戦闘性能を確認する目的で行われたという。今回のミサイルには二舵操縦技術などの新技術を採用したことも明らかにした。
実験には朝鮮労働党政治局常務委員で党書記の朴正天氏が立ち、金正恩総書記は立ち会わなかったとみられる。
KCNAによると、国防科学院は今回の実験について「ミサイル制御システムの機動性と誘導の正確さ、空中標的撃墜距離の大幅な向上という新型対空ミサイルの優れた戦闘性能が証明された」との認識を示した。
韓国軍は、KCNAの報道内容を確かめるには詳細な分析が必要だとした。
北朝鮮の兵器実験が伝えられるのは今週2度目。同国が精密兵器の開発を着実に進める中、米国は非核化協議再開を呼び掛けているが、北朝鮮は米国に「敵視政策」の放棄を要求し、膠着状態が続いている。
KCNAの30日の報道によると、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記は国会に当たる最高人民会議の演説で、10月から南北ホットライン(直通電話回線)を復活させることに前向きな姿勢を示した一方、北朝鮮に対する「敵視政策」を変えずに対話を提案しているとして米国を非難した。
韓国統一省は1日、北朝鮮が南北ホットラインでの呼び掛けに応答しなかったと明らかにしたが、ホットラインと対話の再開に向けて努力を継続する考えを示した。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日、軍の創設記念日に合わせて行った演説で、北朝鮮には言及しなかったが、生命を脅かす行為には厳格に対応しつつ、恒久平和の構築にコミットすると表明した。
ホワイトハウスのサキ報道官は「北朝鮮との話し合いに向けて具体的な提案をしたが、これまでに回答は得られていない。われわれは引き続き、あらゆる問題について議論する用意がある」と述べた。その上で、ミサイル実験の特質を検証しているとした。