[北京 4日 ロイター] - ロシアがウクライナとの国境付近で軍を増強し、情勢が緊迫していることを受け、北京冬季五輪に参加する両国の選手たちの間にも距離が生まれている。
ロシアが約10万人の部隊や戦車、重火器をウクライナとの国境付近に集結し、両国間の緊張はここ数カ月高まり続けている。
北京大会では新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から選手らの交流は制限されているものの、接触が皆無というわけではない。ウクライナは自国の選手に対し、ロシア選手を可能な限り避けるよう忠告したり、挑発された場合の対応を指導しているという。
ウクライナのボブスレー女子リディア・ヤンコは、ロシア選手について「私たちは良い友達ではない。自分のチームと一緒に過ごしている。ロシア人とは連絡を取っていない」とコメント。「もちろん1人の人間として扱うが、やはり(ウクライナを巡る情勢の)影響はある」と続けた。
その一方で、同じ競技で戦う選手同士で仲間意識を持っている様子もうかがえる。スピードスケート男子ショートトラックのトレーニングセッションで、ロシア人のセミョン・エリストラトフはウクライナ代表オレフ・ハンデイからリレー練習の後押しを受けたそうだ。
エリストラトフはロシア通信(RIA)に対し、「私たちの関係は友好的。オレフはいつも私に『気にするな。ただの政治だ』と言ってくれる」と語っている。