[モスクワ/ワシントン 12日 ロイター] - ロシア国防省は12日、同国海軍の艦艇が太平洋のロシア領海内から米潜水艦を退去させたと発表した。インタファクス通信が伝えた。米国はロシア側の主張は「真実ではない」とし、ロシア領海で軍事活動を行ったとの見方を否定した。
インタファクスによると、ロシア国防省は、太平洋艦隊が海軍演習を実施していた12日午前にクリル諸島付近で米潜水艦を発見したとしている。ロシア艦艇が直ちに浮上するよう命じたものの従わなかったため、「相応の措置」を講じて領海内から退去させたという。
ロシアは、米国が国際法に違反し、ウクライナ情勢を巡り米ロの緊張が高まっている時に安全保障上の脅威を引き起こしたと非難した。
米軍報道官は声明で「ロシア領海でのわれわれの活動に関するロシアの主張は真実でない」と反論。「米潜水艦の正確な位置についてはコメントしないが、われわれは国際水域で安全に飛行、航行し、活動している」と強調した。
ロシアが米潜水艦を発見したとしている正確な場所は不明だが、クリル諸島の一部は日本が領有権を主張している。
バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナ情勢を巡って電話で約1時間会談したものの、緊張緩和に向け事態が大きく進展することはなかった。