[ブリュッセル/アンカラ 18日 ロイター] - フィンランドとスウェーデンの北欧2カ国は18日、北大西洋条約機構(NATO)加盟を正式に申請した。
両国は東西冷戦中は中立の立場を取っていた。しかしロシアのウクライナ侵攻を受け、安全保障上の状況が根本的に変わったとして加盟に踏み切った。
両国の大使が加盟申請書を提出した。NATOのストルテンベルグ事務総長は「これは、われわれがつかむべき歴史的瞬間だ。フィンランドとスウェーデンの申請を歓迎する。あなたがたはわれわれにとって最も近いパートナーであり、あなたがたのNATO加盟は、われわれが共有する安全保障を増大させる」と述べた。
両国の加盟は、加盟国の全会一致の承認が必要。加盟国はおおむね加盟を支持しているが、トルコは国内反政府組織を両国が支援しているとして反対の姿勢を示している。
ストルテンベルグ氏は「全ての問題に取り組み、迅速に結論を出す所存だ」と述べ、トルコ以外の加盟国から強い支持を受けていると指摘した。
トルコのエルドアン大統領は17日行った演説で、トルコの反政府武装組織との戦いで、NATO同盟国がトルコを守ろうとしたことはないと批判。「トルコが敏感に感じている問題に対し敬意が示されなければ、NATOの拡大はトルコにとって意味はない」と強調した。
スウェーデンが国内にかくまっているトルコの反政府武装組織のメンバーを送還せずに、NATO加盟申請でトルコの承認を期待することはできないとも言明。「NATOは安全保障のための組織だ。NATOから安全保障を奪おうとする国(の加盟)に対し、『イエス』とは言えない」と述べた。
さらに、NATO加盟申請を巡り協議するため、スウェーデンとフィンランドがトルコに代表団の派遣を予定していることについては、トルコに来る必要はないと述べた。
トルコ大統領府によると、カリン大統領補佐官がフィンランド、スウェーデン、米国側と電話会談を行い、2カ国のNATO加盟はトルコの国家安全保障上の懸念に対処する確かな手順が取られた場合にのみ可能となると伝えた。
一方、バイデン米大統領は、反対するトルコをどう説得するかと記者に問われ「大丈夫だと思う」と回答。加盟は成功するとの見方を示した。
またサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)も、米当局は両国の加盟を「全会一致で」支持していることを明らかにした。