[ブリュッセル/パリ 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)の欧州委員会は17日にウクライナを正式な加盟候補国として提案する見通しだ。複数の外交筋や当局者が明らかにした。ロシアの侵攻に抵抗するウクライナに対する重要な政治的意思表示となるが、EUの拡大論争にも一石を投じそうだ。
EU27カ国首脳は23─24日の会議で欧州委の推薦を承認する見込み。
ただ、5人の外交筋と当局者によると、ウクライナを候補国として承認することは、戦争状態にあり、腐敗が蔓延している国に加盟への非現実的な期待をもたせる恐れがある。
東側諸国はウクライナに候補国の地位を与えることを強く支持。一方、フランス、オランダ、デンマーク、ベルギー、ポルトガルは懸念を抱いている。
例えば、ロイターが確認したデンマークの文書は、民主主義、人権、少数民族の尊重、法の支配という点でEUの候補国になるための「基準をウクライナはまだ十分に満たしていない」と指摘している。