[17日 ロイター] - 世界反ドーピング機関(WADA)は17日、匿名性の高いインターネット空間「ダーク(闇)ウェブ」について、運動能力向上薬(PEDs)売買が行われる場であり、アスリートが頻繁に利用するべき市場ではないと発表した。
WADAの情報調査部門は、10カ月にわたり闇ウェブ上の売買を監視。その結果、多くの製品で表示されているよりも高いあるいは低い濃度の内容物を含んでいることなどが分かり、特にプロやトップアスリートにとっては同ウェブ上での薬物購入に大きなリスクがあることが発覚した。
情報調査部門の責任者はロイターに対し、調査を実施した理由を「トップアスリートが闇ウェブを使ってPEDsを購入しているといううわさがあったので、アスリートのふりをして闇ウェブに入り、簡単に物質を手に入れることができるかどうか調べてみようと思った」と説明。
PDEsを求めて闇ウェブを利用する人々の大半がボディービルダーやアマチュアのアスリートで、トップアスリートは当初の想定ほど闇ウェブに魅力を感じていなかったとの調査結果に「ほっとした」としつつも、「われわれは、自分の体に何を入れているかを正確に知る必要があるトップアスリートにとって、(闇ウェブの利用は)とてつもないリスクになるだろうという結論に達した」と続けた。