[東京 8日 ロイター] - 選挙演説中に銃撃され、死亡した安倍晋三元首相の警備にあたっていた奈良県警本部は8日夜に会見し、逮捕した容疑者の犯行動機について「特定の団体に恨みがあり、安倍氏が関連していると思い込んで犯行に及んだ」という趣旨の供述していることを明らかにした。
安倍氏の襲撃に使ったのは手製の銃で、県警は家宅捜索で類似の銃を数丁押収した。暴発の危険があり、住民を避難させる可能性もあるという。
県警によると、容疑者は取調官の質問に淡々と答えている。現在は無職で、2002年から3年間、自衛隊に勤務したと供述しているという。単独の犯行だったのか、薬物などを使用していた可能性があるのか、などについては調査中とした。
供述によると、容疑者は演説会場まで電車で移動。容疑者が安倍氏の遊説の予定を把握したのはインターネットだという。
県警が安倍氏の遊説予定を知ったのは前日夕。警護中の安倍元首相が銃撃されたことは「重大に受け止めている」としたものの、警備体制に問題があったかどうかの認識は明らかにせず、今後問題が確認されれば適切に対策を講じる考えを示した。事件の兆候はなかったとした。
安倍元首相は8日昼、奈良市で参議院選挙の応援演説中に銃撃された。意識不明のまま病院に搬送され、夕方に死亡した。
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