[東京 3日 ロイター] - 米国務省高官は3日、ブリンケン国務長官が中国の王毅外相と先月バリ島で会談した際、ペロシ下院議長が台湾を訪問する可能性について協議していたと述べた。
ブリンケン氏は、訪台は完全にペロシ氏の判断で行われ、米政府は関与していないと伝えたという。
同高官は都内で記者団に、下院議長の台湾訪問は異例の事態でも前例のない事態でもないとし「問題は、中国が今回の訪問を口実に、エスカレートするような、あるいは何らかの形で紛争を生み出すような行動を取ろうとするかどうかだ」と発言。
「中国は台湾に関する現状を変えようとするこれまでの行動を継続する口実として今回の訪問を使うべきではない」とし「議長の訪問後に緊張がエスカレートしたり、危機が発生した場合は中国の責任になる」と述べた。
同高官は、ブリンケン氏が今週カンボジアで行われる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議で王毅外相やロシアのラブロフ外相と直接会談する計画はないことも明らかにした。
ロシアについては、ウクライナでの戦闘を終結させる意向を示していないとし「侵攻の終結につながる有意義な外交機会があれば、当然関与するが、そうはなっていない」と述べた。
今回のASEAN関連会議については、ミャンマー軍事政権が敵対勢力の弾圧を中止するよう「圧力を維持し強化する」方法について協議することを期待すると発言。
ASEAN議長国のカンボジアとの関係強化も望むが、カンボジアが中国軍との関係について透明性を示すことが重要だとの認識を示した。