[台北 22日 ロイター] - 台湾の蔡英文総統は22日、訪台している米インディアナ州のホルカム知事と総統府で会談し、台湾と米国はインド太平洋における経済・安全保障上の重要な同盟であり、民主主義の同盟国は結束する必要があるとの考えを示した。半導体の安定供給に取り組む姿勢も強調した。
台湾には今月に入って米国からペロシ下院議長のほか、マーキー上院議員率いる議員団5人が相次いで訪問しており、ホルカム氏の訪台はそれに続く。
蔡総統は「われわれは台湾海峡とその周辺で中国の軍事的脅威にさらされている」とし、「このような時に民主主義の同盟国は結束し、あらゆる分野で協力を強化しなければならない」と述べた。
また「経済安全保障は国家と地域の安全保障の重要な柱だ」と強調。半導体の「持続可能なサプライチェーン(供給網)構築に向けて民主主義のパートナーとの協力を強める意思と能力が台湾にはある」と述べた。
ホルカム氏は台湾の半導体企業関係者との会談を予定している。
同氏はインディアナ州が進めるハイテク産業支援の取り組みについて語り、台湾の半導体設計企業メディアテック(聯發科技)がパデュー大学と共同で同州に新たなデザインセンターを設立すると6月に発表したことに触れた。
蔡総統は、米国で今月、中国に対する競争力向上を目指す国内半導体産業支援法が成立したことに言及し、インディアナ州は半導体技術の中心地になるだろうと述べた。
ホルカム氏は記者団に、台湾は世界でも有数のハイテク人材を擁していると指摘した。
「われわれはサプライチェーンの痛みに直面しており、これをサプライチェーンの利益に変えることを目指している」と述べ、協力することでより速く、より耐久力のある形で実現することが可能になると述べた。
中国外務省は22日、ホルカム氏の訪台に「厳重な抗議」を行ったと発表した。