[キーウ(キエフ) 10日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は9日、2014年にウクライナから一方的に併合したクリミア半島とロシア本土とを結ぶクリミア大橋で8日に起きた爆発は、ウクライナの情報機関によるテロ行為だと非難した。10日は安全保障会議を開催する。
プーチン氏は「間違いない。これは極めて重要な民間インフラを破壊することを目的としたテロ行為だ。ウクライナの情報機関が計画、実行した」と述べた。
クリミア大橋はロシア軍にとって重要な供給ルートで、戦況が芳しくない中でプーチン政権にとってはさらなる痛手となる。
プーチン氏は9日に連邦捜査委員会のバストルイキン委員長から報告を受けた。バストリキン氏によると、橋で爆発し火災を起こした車両はブルガリア、ジョージア、アルメニア、北オセチア、ロシアのクラスノダール地方を経て橋に到達した。ウクライナ特殊部隊の準備に協力した人々の中には「ロシアおよび外国の市民」が含まれると述べた。
RIA通信がロシア運輸省の発表として伝えたところによると、橋の爆発以降、約1500人と162の貨物がフェリーで橋のかかるケルチ海峡を移動した。
米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は9日のABCの番組で、クリミア大橋の爆発について直接的なコメントを控え「これ以上付け加える(情報)ことはない」と述べた。その上で「(ロシアの)プーチン氏(大統領)がこの戦争を始めた。そして、プーチン氏はきょう軍をウクライナの外に移動させるだけで、この戦争を終わらせることができる」と語った。
ウクライナ軍報道官は9日、南部ヘルソン州で8月下旬に反転攻勢を掛けて以来、1170平方キロ以上を奪還したと述べた。