[ベルリン 10日 ロイター] - ドイツのハーベック経済相は10日、通商問題を巡って中国と米国が対立する中で、欧州は板挟みになり無力化するリスクがあると指摘した。それを避けるためには、独自の課題を推進する必要があると強調した。
商工会議所の会合で講演し「米中のどちらかを選ばなければならないとしたら、極めて大きな問題を抱えることになるだろう」と述べた。その上で、このような事態を防ぐには、欧州が独自の貿易課題を推進することが唯一の選択肢だとし「貿易協定はその一部になる」と述べた。
「多国間組織が機能し、自由貿易を維持できるよう努力しなければならない」と述べ、世界貿易機関(WTO)などの強化を呼びかけた。
ハーベック氏は、米中の経済的な対立が国際貿易の流れを左右していると指摘。「中国は、欧州が米国と完全には同調しないことを望んでおり、欧州やドイツから投資を呼び込みたいと考えている」と語った。
「中国との経済関係は、経済省にとって非常に重要」とし「中国との経済的な分断は、われわれの利益にはならない」との見方を示した。