Timour Azhari
[バグダッド 31日 ロイター] - イラクの親イラン勢力「神の党旅団(カタイブ・ヒズボラ)」は昨年10月以降、米軍を標的とする多数の攻撃を主導してきたが、イラン政府やイラク与党からの圧力で攻撃停止に至ったことが、関係筋の話で分かった。
米政府はヨルダン北東部の米軍基地で米兵3人を殺害した28日のドローン(無人機)攻撃について、カタイブ・ヒズボラが実行したと指摘している。
カタイブ・ヒズボラは30日、米軍への全ての軍事作戦を停止すると表明。イラク政府を当惑させたくないとしたほか、イランや協力関係にある勢力と意見対立があると異例の言及をした。
アナリストや政治家は今回の唐突な発表について、イランやイラクの有力政治家がパレスチナ自治区ガザの紛争の拡大回避を望んでいることを如実に示していると指摘。
カタイブ・ヒズボラはイラクのシーア派武装勢力を統括する「イラクのイスラム抵抗運動」傘下で最も有力な組織。これら勢力によるシリアやイラクの駐留米軍への攻撃は、長年の戦争後に国内の安定化を目指すイラク政府の努力を損ねるものだった。
また、シーア派の政治家などは米国の友好国であるヨルダンで米兵を殺害したことは行き過ぎだったと指摘。
一方、イランは公式に関与を否定し、水面下でカタイブ・ヒズボラに攻撃停止を求めたという。イラクのシーア派勢力が攻撃停止に向け仲介役を果たした。