[ベイルート 15日 ロイター] - レバノンの親イラン武装組織ヒズボラは、イスラエル軍のレバノン南部に対する攻撃で14日に子ども5人を含む10人が死亡したことに対する「予備的な対応」として、15日にイスラエル北部のキリヤット・シュモナに向け数十発のロケット弾を発射したと明らかにした。
イスラエル北部ではサイレンが鳴り響き、イスラエル警察などによると、国境沿いのキリヤット・シュモナに数発のロケット弾が着弾し、被害が出た。
イスラエルもこの日、レバノン南部のヒズボラの標的を攻撃したと表明した。ヒズボラは戦闘員5人が新たに死亡したとしている。
これに先立ちヒズボラ幹部は、前日のレバノン南部に対するイスラエル軍の攻撃を受け、イスラエルは「代償を払う」ことになると述べていた。
イスラエル軍は、レバノン南部ナバティエに対する「正確な空爆」でヒズボラの精鋭「ラドワン部隊」の司令官らを殺害したと表明。ヒズボラはラドワン部隊の司令官を含む3人が死亡したと確認した。
レバノンの情報筋によると、ナバティエの集合住宅に対する攻撃で民間人7人が死亡。7人は親族で、このうち3人は子どもだった。このほか、国境沿いのアル・サワナ地区への攻撃で女性1人と子ども2人が死亡した。
在ベイルートのカーネギー中東センターのモハナド・ハゲ・アリ氏は、イスラエルが交戦規定の「限界を試している」ように見える一方で、ヒズボラは「可能な限り事態を収束させる」意思を示しているとの見方を示した。