[東京 26日 ロイター] -
26日夕の外為市場でドルが154円後半まで約2円、突然急落した。市場では、政府による円買い介入ではないものの、参加者の間に強い介入警戒感が広がっており、一時的にドル売りが集中して発生したと見られている。
植田和男日銀総裁の記者会見が終了した後の午後5時過ぎ、ドルは34年ぶり高値となる156円後半から、約2分間で154.97円まで一気に下落した。
急落当初は円買い介入や、介入を前提に金融機関にレートの提示を求める「レートチェック」が入ったのではないかとの思惑が広がった。しかし、その後ドルがすぐに156円半ばへ反発したことで「介入やレートチェックであれば、ここまで急速に値を戻すことは考えづらい」(外銀関係者)と、否定的な見方が強まっている。
ある大手銀関係者は「介入警戒感が高まる中、上値でまとまったドル売りが出たようで、それに反応して売りが瞬間的に殺到したようだ」としている。ドルは現在156円半ばと、急落前の水準にほぼ値を戻した。
参加者の間では、政府が24年ぶりの円買い介入に踏み切った2022年9月22日と同様に、今回も日銀会合後の夕方に介入が行われる展開を警戒する声が出ていた。当時もドルが急落し始めたのは午後5時過ぎだった。